2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Concepts on "China" as the View from Jiangnan Literati under the Mongol Empire
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15K02912
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| Research Institution | Meiji University |
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Principal Investigator |
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 専任准教授 (40386412)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | モンゴル帝国 / 中国 / 元代 / 江南 / 士人 / 広州 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年度にあたるため、研究の深化と発展及び公開を目指した。
① 国際交流の進展も念頭に、台湾より洪金富先生を招聘して、講演会及びワークショップ「元代史料と江南研究」を開催した。洪氏の基調講演と2人の話題提供をもとに自由に討論を展開した。洪氏は『元典章』研究の第一人者であり、江南で出版された法制史料『元典章』を論の中心として、出版の背景・経緯やそこから読み取れる江南の事象と同時に、『元典章』を含めた元代史料研究上の整理方法についても、国際的な議論できた。江南各地で史料が出版された背景を探ることが、当時の江南知識人たちの意識を探る手段となることを改めて認識できた。
② 一方、前年度に開始した『事林広記』の版本比較を続け、その中から元代江南における歴史認識の展開を探った。その結果、元代の江南の知識人にとって自身が南宋を継承した元に所属しているという意識は、少なくとも1340年代まで続いていたことを明らかにし、その内容を中国の学会で「『事林広記』中的正統」の題目で大会報告した。
③ 年度末には、本研究のまとめと新たな研究への展開を企図して「中国史における江南と四川」のワークショップを開催した。その中では、元代における江南の概念変化と、宋元交替による四川の中国史上の位置づけの変化が明らかになった。このワークショップでも問題となった元代嶺南の位置づけについては、前年度までに学会報告した内容をまとめて論文「元代の南海神廟祭祀」として公刊した。
④ 年度末に、紙媒体の研究報告書を作成し、国内外の元史研究者に送付し、今後の研究交流の基盤を築いた。元代における「中国」について、当時の人々に認識に即した分析はできたが、「宋元明移行期論」を踏まえた「大きな中国」としての認識・時代像とそれを根拠づける実態については、明確な見解を公刊することができなかったため、できるだけ早い公刊を目指す。
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Research Products
(5 results)
