2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K02920
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中田 美絵 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (00582842)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソグド人 / 寺院 / 商人 / 唐 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる2016年度は、初年度から収集してきた諸資料の解読や分析を中心に行った。具体的には、ソグド商人は、仏教寺院の荘厳及び儀礼などで必要とされる香薬の貿易に深く関わったとみられているが、その陸・海における交易活動の実態と、仏教寺院との関係について研究を進めた。次に、唐代中国には寺院に所属する出家したソグド人の例が漢文史料中で幾つか確認されるが、彼らの出家によって、ソグド人の交易ネットワークと寺院とはどのような関係を持ち、寺院経済にいかなる影響をもたらすのかについても研究を進めた。そして、ソグド人の中国における仏教改宗にいたる背景についても考察を行った。 以上の成果の一部として、国際学会(AAS-in-ASIA 2016)にて「Sogdians’Conversion to Buddhism in Tang China」を口頭で報告した。また、「唐代中国におけるソグド人の仏教「改宗」をめぐって」を『東洋史研究』に発表した。 また、2016年度の海外調査では、広州博物館・広東省博物館・光孝寺・南海神廟(以上、広州市)、西山公園(桂林市)、海事博物館・香港歴史博物館(以上、香港)などを訪問し、唐代以前の南海交易関連の資料と、寺院や仏教関係の遺跡・資料の調査を行い、多くの情報を得ることが出来た。また、唐代の海域世界や中国南方の沿海地域で活躍したソグド人やペルシア人に関係する資料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実施計画」で予定していた海外調査地を研究内容の進展に応じ変更したが、本研究課題全体の計画からみれば、資料調査や研究の整理・発表などおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、資料・情報の収集のために現地に赴き調査を行う。また、国内ではこれらまでに調査してきた資料を用い、唐代中国におけるソグド人・ペルシア人の交易・宗教活動を、ユーラシア全体の政治情勢と併せて考察していく。また、2015~2016年度の本研究の成果の一端を学会で報告し、意見交換を行う予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に行った中国調査の費用を当初予定していた金額よりも低く抑えることが出来たため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度の国内外の出張費にあてる予定である。
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Research Products
(4 results)