2015 Fiscal Year Research-status Report
近世神聖ローマ帝国史における「永久帝国議会」に関する総合的研究
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15K02924
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 文彦 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30222384)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 永久帝国議会 / 神聖ローマ帝国 / 帝国国制 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、当初の研究計画に従って、永久帝国議会における皇帝および帝国等族の全ての使節のリストを作成し、先行研究および家系図等を用いて、永久帝国議会における使節のデータベースを構築した。これにより一人の使節が、複数の帝国等族の使節を兼ねていた実態、使節を専門職としていた家門の存在、使節を専門職とする家門間の姻戚関係が明らかとなった。これまでの研究でこれらの点の一部については指摘されているが、永久帝国議会の全期間にわたる網羅的な調査は行われておらず、事実上、使節会議化していた永久帝国議会の実態の解明にとって重要で基礎的なデータを整理することができたと言うことができる。 次に、研究計画の二番目に掲げた皇帝の主席代理人の史料の分析は、すでにデジタルデータ化していた1740年までの部分を行い、1806年までの史料の新たなデジタル化に着手することができなかった。この1740年までの史料の分析の中で、皇帝から主席代理人への指示、主席代理人とその補佐官の間の情報交換、主席代理人と帝国等族の使節の間における情報交換の具体的な状況を確認することができた。皇帝から主席代理人に指示された案件が、どのようなルートで協議され、最終的にどのように処理されていくのかという、これまでの帝国国制史研究では必ずしも明確ではなかった部分を具体的に把握することができた。取り扱われた案件の種類は多岐に及んでおり、その種類の違いによりまた扱われ方も異なっている。 以上のように、平成27年度の研究実績としては、今後の研究成果発表のための基礎的なデータの集積と整理ができた点を指摘することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたレーゲンスブルクとウィーンでの史料調査を行うことができなかった。これは所属している文学研究科の副研究科長として、公務(研究科の外部評価作成実施・第2期中期計画の評価作業・第3期中期計画の作成)に膨大な時間を取られたことによる。 しかし当初の計画においても、計画通りに進まない時の対応として、すでに入手していた史料の整理を優先することとしており、調査を翌年度に行うことで対応可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作成した永久帝国議会における使節のデータと皇帝の主席代理人の活動を有機的に結合させることと、コミュニケーション史の観点より、レーゲンスブルクにおける郵便と印刷所に関する情報の整理を行う。 また、1740年以降の永久帝国議会の皇帝の主席代理人のデータのデジタル化を進めることにより、1806年までの史料の整理が可能となり、永久帝国議会の使節に関するデータとの統合作業を進めることができる。
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Causes of Carryover |
当初予定していた外国での資料調査を実施することができなかったことと、すでに入手していた史料の整理作業を優先的に行ったことにより、新たな史料のデータ化作業を行わず、また新たな文献等の購入も控えたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マイクロ史料のデータ化作業を行うとともに、昨年度実施できなかった外国での調査を行うことを予定している、またすでにリストにあげている文献等の購入を進める予定である。
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