2017 Fiscal Year Annual Research Report
The empire of the Normans and the local societies
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15K02926
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有光 秀行 東北大学, 文学研究科, 教授 (80253326)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イングランド中世史 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はリンカン司教区に関する分析として、12世紀を代表する歴史著述家のひとりGaimarを支援した人物のうち、Ralph fitz GilbertおよびWalter archdeacon of Oxfordに着目し、English Episcopal Actaのリンカンの巻、およびThe Latin Cartulary of Godstow Abbeyといった史料集から関連情報を抽出した。また、前年度にひきつづき、Robert Bearmanが編纂したRedvers家の証書集、およびBearmanがロンドン大学に提出した未刊行博士論文により、同家の所領の中でウィンチェスタ司教区のChristchurchおよびエクセタ司教区のPlymptonにおける土地保有家門、つまりFoliot家、Gray家、Marshall家、Bashley家、Giffard家、D’Aumale家、Brewe家、Bastard家、Mandeville家などのネットワークについての情報を抽出した。これらの家門のルーツや大陸との関わりがすべて明確になったわけではなく、Redvers家の証書集以外の史料を参照する可能性はなお残るが、そのような中でPlymptonについてはとくに、Mandeville家が、ノルマンディでRedvers家の本拠に近いところにルーツを持ち同家と密接な関係を持っていたこと、イングランドに到来後も同家からPlymptonに所領を保有したこと、一方でこの家の一族みながRedvers家とつながりを持ち続けたのではないことなど、単純ではないネットワークの一端が明らかになった。
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