2016 Fiscal Year Research-status Report
フランス革命前後の政治的代表性をめぐる権力編成と旧秩序
Project/Area Number |
15K02946
|
Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
仲松 優子 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (80572940)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | フランス革命 / アンシアン・レジーム / 政治的代表 / ラングドック / 権力秩序 / 社会秩序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代民主主義の萌芽や誕生として見なされることの多い、フランス革命前後の政治的代表性をめぐる議論と実践を、革命前の「旧秩序」との関係から再検討するものである。その際、具体的に検証する場として南フランスのラングドック地方に焦点をあて、この地方の既存の権力機構であった地方三部会・都市・農村共同体などが、この改革にどのように反応したのかという点を、一次史料の収集と分析によって、思想のレベルだけでなく社会の実践のレベルで具体的に検証していくことを研究目的とする。 本年度は、昨年度に引き続き史料・文献の調査や収集に重点をおき、研究視覚の検討もあわせて行った。本研究に必要な史料のうち、本年度は、アルデーシュ県文書館で、アンシアン・レジーム期の地方三部会と裁判所の記録と、その後継にあたる革命初期の行政記録を調査した。また、パリのフランス国立文書館で、国王諮問会議の記録の調査を行った。これにより、フランス革命をはさんだ両時期の行政記録の状況を比較するための、基礎となる情報を把握した。研究視覚の検討については、昨年度出席した第22回国際歴史学会議の参加報告を活字化し、政治的代表性をめぐる議論においても重要な視点となるジェンダーについて考察を行った。また、アンシアン・レジーム期とフランス革命初期の政治の特徴を比較した論考を発表した。具体的な史料に基づく研究は、現在進行中であるが、その理論的な枠組みの一つを整理したことになる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で必要な史料は、ラングドック地方の複数の県文書館と国立文書館に所蔵されており、史料の調査・収集は、複数年度に渡って計画的に行う必要がある。本年度は、アルデーシュ県文書館およびフランス国立文書館での史料の調査・収集を予定どおり実施することができた。その成果も順調にあげている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現在まで順調に進んでいる。今後も本研究課題の研究計画に則り、研究の推進をはかっていく。
|
Causes of Carryover |
本年度も研究計画に即してフランスでの史料調査を予定通り実施し、渡航費等の支出は計画通りであったが、研究成果を発表するためにかかると予測された経費がかからなかったため、次年度使用額が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越した助成金については、次年度はこれまでの研究計画に加えて、特に研究成果のまとめと公表に重点的に使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)