2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおけるグローバル都市地域の変容に関する地誌学的研究
Project/Area Number |
15K03018
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小野寺 淳 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (50292206)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グローバル都市 / 経済発展 / 地誌学 / 東アジア / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速に変化するアジア、とりわけ長足の経済発展を遂げてきた東アジア(狭義の東アジアに東南アジアも含める)を地誌学としてどのように描写し解釈するのか。本研究は、東アジアの経済発展モデルやグローバル都市をめぐる議論を参照しながら、そこに経済面のみならず政治・社会面の要素を加えて今回の分析の視座を用意し、そこから東アジアの動態的な地誌を記述することを目的とする。 シンガポールに関しては、シンガポール経営大学の学長であるLily Kong教授と連絡を取り合い、フィールドワークの可能性について意見交換をした。香港に関しては、香港中文大学の中に置かれているUniversities Service Centre for China Studiesと連絡を取り、平成28年度の現地での研究活動の目途をつけることができた。それに先立つ6月には当該センターにおいて資料収集の機会を得ている。 広州に関しては、別のプロジェクトとしてフィールドワークやワークショップを行うなどしているが、その成果は本研究にも関連しており、日本地理学会春季大会にて発表した他、平成28年度の北京における国際地理学会での発表を申し込み(発表要旨の提出など)受理された。また、やはり昨年度までの別のプロジェクトの調査活動に基づく中国の都市空間と労働力流動に関する研究の成果を、論文として執筆した。 成都に関しては、中国科学院山地災害・環境研究所からの招聘を受け、招待講演“Recent trends of human geography in Japan and some interests of a Japanese geographer in China”を行い、方一平研究員(教授)らと意見交換を行った。そして、中国内陸部を代表する大都市の成都において、当該研究所スタッフの協力を得ながら、近年のグローバル化に伴う都市空間構造再編の様子を実地に観察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、シンガポールとその周辺において比較的長い期間の滞在をしながら本格的なフィールドワークを行うことを計画していたが、カウンターパートの研究者と調整を図る中で、協力者および研究機関の都合やコスト面で若干の問題が生じ、平成27年度はその実行を見送ることにした。その一方で、シンガポールとその周辺地域に関連する諸資料の収集と解釈はすでに進めつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
シンガポールとその周辺におけるフィールドワークについては、その内容を変更しながら平成28年度から29年度にかけて実行したいと考えている。それと同時に、東南アジアの他の大都市についても研究の視野に入れていきたい。 しかしながら当面の研究活動については、香港および中国大陸の都市を主な調査対象としたい。これまでの経験・蓄積も合わせて、今後の調査活動についての協力を得られる見通しが立てやすいという事情があるからである。
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Causes of Carryover |
平成27年度においては、カウンターパートとの調整を経て、現地に赴いてのフィールドワークを当初の計画のようには実行しなかったため、海外旅費としての利用が少なくなり、その分が平成28年度への使用の持越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
とりわけ平成28年度の秋以降は本務校より一定期間の在外研究の機会を与えられているため、香港を中心として、北京、上海、広州、シンガポール、ジャカルタ等への出張の海外旅費として積極的に使用したい。国際学会への参加にも前向きに取り組みたい。
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