2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03023
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
朴 チョン玄 法政大学, 経済学部, 教授 (10317654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 章夫 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (60425725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 福岡 / 釜山 / 地域間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、企業の側面から国境を越える地域間統合・交流を検証した。 具体的には、プサン広域市と福岡市における両都市間交流事業の一環として、「デザイン交流事業」「ファッション交流事業」に着目し、参加企業の経営者や行政関係者に対する聞取り調査を含むアンケート調査を行い、次の三つの点を調査・研究を行った。 第一に、企業レベル、企業から構成する団体組織レベルで、どのような背景で、国際交流事業を行ってきたのかを調査・研究した。その結果、デザイン交流事業やファッション交流事業に参加する企業の経営者は、日本との取引経験は少ないことに対して、長期的に日本文化・事業に興味を強く示す人が多いこと、日本企業との取引に非常に強い関心を持っていること、とりわけ、福岡に対する心理的・地理的距離の認識が相対的に近いこと、行政レベルでの交付金制度を積極的に取り入れる組織的動きがあったことが、デザイン交流とファッション交流分野において、国境を越える地域間連携を作り出す重要な役割を果たした。 第二に、事例分析として、釜山―福岡間交流事業をどのように推進し、障害と推進要素を分析した。その結果、ビジネス習慣の違いによる取引成立にいたるまで障害が多数存在すること、予算の確定と執行の違いによる時間的ロスが多いこと、コミュニケーションの障害が最も多いこと、日本企業は信頼構築による長期継続的取引を目指すことに対して、韓国側は短期多発的取引を望む企業が多いことなどが、国境を越える地域間連携において大きな障害となっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画に述べた通りの作業の進展と成果を達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに作業をすすめていくことを予定している。さらに、釜山・福岡を拠点として文化交流を行う団体・個人に対して聞取り調査を含むアンケート調査(本年度実施)の結果を分析し、民間交流の評価や限界と課題について検証作業も手掛け、釜山―福岡間結合依存関係を多面的な側面での解釈を行う。
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Causes of Carryover |
前倒し支払い請求を行い、2017年度の実施予定の研究遂行を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文化交流からみた国境を越える地域間結合の実態を明らかにするために、分析・論文作成の目的で使用。
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Research Products
(11 results)