2017 Fiscal Year Annual Research Report
Historical development and influence of Japanese fishermen in Dutch East Indies before World War II
Project/Area Number |
15K03028
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
福田 忠弘 鹿児島県立短期大学, その他部局等, 教授 (50386562)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 戦前期南洋漁業 / 原耕 / 水産史 / 南洋カツオ漁 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に実施したのは、(1)オランダハーグにある国立公文書館(Nationaal Archief)での資料調査、(2)インドネシアのアンボン島およびスラウェシュ島の調査である。 オランダハーグの国立公文書館では、平成29年8月と平成30年3月の2回、植民地省ファイルに関する調査を行った。平成27~28年度の調査により、1928年~35年までの秘密ファイルの目録のチェックをした。この目録によると、戦前期蘭領東インドにおける日本人漁業者に関する史料が多数保管されていることが確認できる。その目録をもとに、実際の文書を閲覧する作業を行った。だが、目録にはタイトルが記載されているが、実際には文書が存在しない史料が多数ある。入手できるかぎりの史料を見る限り、蘭印政庁のもとにはかなりの日本人漁業者の情報が入っていたことが明らかになった。 本来は平成27年度に実施予定であった、インドネシアのアンボン島およびスラウェシュ島の調査を行った。アンボンでは、昭和2年頃から、後に衆議院議員となる原耕(はら・こう)による南洋漁場開拓事業が行われていた。また昭和7年からは、衆議院議員在任中であったにも関わらず、原耕がアンボンのラハ村に拠点をおいて漁業基地建設を行っていた。ラハ村では、現在でも原のことを記憶している古老がいる。原耕がカツオ・マグロ漁の有望な漁場としてバンダ海では、現在、キハダ鮪の漁獲が多く、地元大手水産会社も拠点を2つ置いている。さらにラハ村の丘に、原耕の墓があることも確認できた。またスラウェシュ島のビトンを訪問した。現在でも、戦前に日本のカツオ船から漁法を引き継いだ、「フハテ」を行う船も確認することができた。
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