2018 Fiscal Year Annual Research Report
Toward Applied Anthropology of Religion to Nurture Global Leaders
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15K03039
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
藤原 久仁子 (森田久仁子) 甲子園大学, 栄養学部, 准教授 (00464199)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル人材 / 異文化マネジメント / 人類学 / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)宗教人類学の理論、及び事例研究(インドネシア、ミャンマー、タイ、フィリピン、マレーシア、マルタにおける企業フィールドワーク)で得られた知見をもとに、グローバル人材育成に向けた教育プログラムを構築すること、(2)異文化マネジメントやキャリア教育分野に対する人類学の発信力を高めるための方法を探ることを目的として、4年間にわたり実施された。 最終年度である平成30年度は、地中海中央に位置するマルタ島においてフィールドワークを行った。現地の人々がGame Industryと呼ぶ企業が業績を伸ばしており、国内外への人の移動が激しいなかでいかに今まさに必要とされる、そして今後必要とされるスキルを獲得し、高収入を得る職へとJob Hoppingができるかという観点から、スキルと労働、社内の人間関係や異文化マネジメントがとらえられていた。「一時的」「流動的」「即応的」「例外的」というキーワードがそこで浮かび上がるとともに、そのような状況を総括し得るようなマネジメント・スタイルやリーダーシップを一律的に、もしくは類型的にすら語ることができるか、越えがたい課題を感じる調査となった。よりよい人間関係の構築のためには相手の宗教文化の理解と尊重が大事になってくるが、そもそも長く働く気がなく、良い人間関係を構築して働きやすい職場にしたいという欲求が互いに希薄な場において即応力として望まれるグローバル人材とはいかなる人材か、日本的な議論から離れた別視点での議論が必要であることを強く認識した。
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