2017 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropological study of battlefield tourism in Micronesia: Pacific War site as leisure destination and historical heritage
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15K03049
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
飯高 伸五 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (10612567)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 観光 / パラオ / 戦争 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、太平洋戦争戦跡のレジャー化とヘリテージ化、すなわち戦跡が一方では観光産業のなかで娯楽用に消費され、他方では戦争当事国と現地社会で歴史遺産として価値付けられている両義的な状況を、パラオやグアムなどのミクロネシア地域の現状から民族誌的に検討することにあった。研究最終年度には、研究成果のとりまとめ、理論的射程の検討、補足的な現地巡検を中心に研究を遂行した。 2017年10月には東アジア人類学再考研究会にて「ミクロネシアにおける戦跡観光のアクター分析」と題した発表を行い、戦跡観光にまつわる行為者のミクロ分析を試みた。2018年3月には、沖縄県立芸術大学附属研究所主催のシンポジウム「沖縄の人の移動と未来への展望―島嶼・環境・文化」に登壇し、「南洋のアサドヤユンタ―戦時体制下パラオにおける鉱山採掘と沖縄人の記憶」と題した発表を行い、パラオで帝国日本や戦争の記憶が喚起される技法を検討した。補足的な現地巡検は、2018年2月にグアムにて実施し、2016年の太平洋芸術祭地元開催後の動向を念頭に置きながら、モニュメントや博物館展示の現状を検討した。 これまでの研究成果の一部は、Jonathan Skinner氏とAdam Kaul氏編集の論集Leisure and Death: An Anthropological Tour of Risk, Death, and Dying (University of Colorado Press) のなかに"Tourism of Darkness and Light: Japanese Commemorative Tourism to Paradise"として寄稿を終え、印刷中である。 このほか、2016年度に参加した国際学会でのパネルメンバーとともに出版準備もしている。
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Research Products
(5 results)
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[Book] Leisure and Death: An Anthropological Tour of Risk, Death, and Dying.2018
Author(s)
Jonathan Skinner and Adam Kaul (eds.) Maribeth Erb, Keith Egan, Kathleen M. Adams, Adam Kaul, Shingo Iitaka, Cyril Schafer, Ruth McManus, Ray Casserly, Rachel A. Horner Brackett, Tamara Kohn, Michael Arnold, Martin Gibbs, James Meese, Bjorn Nansen, Stavroula Pipyrou, Hannah Rumble, James Fernandez
Total Pages
328
Publisher
University of Colorado Press
ISBN
978-1-60732-788-2
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