2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the De-traditional Vistas and the View of Dwelling in Travel in regional Mexican cities.
Project/Area Number |
15K03060
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
牧野 冬生 駒沢女子大学, その他部局等, 準研究員 (50434387)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メキシコ / 創造的伝統 / 創作的伝統 / 墨米移民 / 脱伝統的景観 / 大規模団地開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度にあたる2018年度の研究実績は、以下の通りである。 2018年度は、今までのフィールドワーク調査、文献調査に関わる研究成果をまとめ、「脱伝統的景観」と「”旅的”居住観」の理論化に努めた。また、海外論文誌への投稿を行い、研究成果を広く公表した。具体的には以下の通りである。 本研究は、メキシコ地方都市に焦点を合わせて、地方都市の中心と郊外という相異なる方向から伝統性を逸脱しながら急速に変容している景観(ビスタ)「脱伝統的景観」の着目するものであった。これまでのフィールドワークによって調査した、米国からの一時帰国に伴う都市中心部の観光型開発と企業誘致に伴う郊外の大規模団地開発を、居住空間・社会空間・住居意匠の構築プロセスから再度まとめ直し、「脱伝統的景観」と「”旅的”居住観」の特徴を明らかにした。墨米間の移民研究は多岐にわたる学問分野を包含するが、最終年度の調査でも特に居住空間を建築学的視点を取り入れながら人類学的参与観察を実施した。 総まとめとして、海外論文誌(Hispanic Journal of Behavioral Sciences)への投稿を行った。そこでは、今までの都市論の中では言及されてこなかった、地方都市を中心とする新たな視点の提示も行った。それは、“旅的”居住観と合い通じる「受け入れ社会を中心としない視点」である。本研究により、地元の戦略的都市開発「想像的伝統」と住まいながら更新する「創作的伝統」の実態を明らかにし、伝統性を逸脱しながら急速に変容しているメキシコ地方都市の現状を「脱伝統的景観」として捉えることができた。
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