2017 Fiscal Year Research-status Report
日本人の異文化間結婚による国際移住と老いに関する文化人類学的研究
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15K03068
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
金本 伊津子 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (60280020)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際移動 / 国際結婚 / グローバル・マイグレーション / 高齢化 / 老い / 在外日本人 / エスニシティ / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1 日本人のグローバル・マイグレーション(国際結婚を含む国際移動)により世界の各地に形成された日本人コミュニティは、この十数年において高齢化が進み、海外に在住する日本人高齢者のケアが深刻な問題として浮かび上がってきている。この研究は、異文化間結婚によって老後を海外で過ごす日本人の老いに伴う喪失の経験に焦点をあて、エスニシティの「日本人」へと推移する高齢者の文化的アイデンティティの変遷を明らかにするものである。異文化において日本人高齢者のウェルビーイングを支えあうために日本人コミュティが共有するエスニシティにも文化人類学的考察を与える。 2 平成29年度においては、ニューヨーク(アメリカ)での調査を開始した。申請者がこれまで実施してきたアメリカ西海岸でのフィールド調査に加え、ニューヨーク日系人会の協力を得てフィールドワーク調査を行った。また、ニューヨーク日系人会の下部組織である「邦人・日本人高齢者問題協議会」との共同研究(「在ニューヨークの日本人・日系人の高齢化に関する意識調査――在宅介護の在り方を探る――」)を進めた。現在においては、ニューヨーク近郊に在住する日本人・日系人(約1500人)を対象とするアンケート調査を実施にむけて、調査票などの作成に取り組んでいる。これによって、グローバル・マイグレーション(国際結婚を含む国際移動)によってニューヨークに移住した日本人・日系人の老いの俯瞰図を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 ニューヨークでのフィールドワークを実施し、現地コミュニティとのラポールを築くことができ、インタビュー調査も順調に行うことができた。 2 現地コミュニティとの共同研究を実施する準備を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 平成30年度においては、平成29年度より準備を進めてきた共同研究「在ニューヨークの日本人・日系人の高齢化に関する意識調査――在宅介護の在り方を探る――」を継続して進める予定である。具体的には、ニューヨーク近郊に在住する日本人・日系人(約1500人)を対象とするアンケート調査を実施する。 2 前述の量的調査において、コミュティとのネットワークから漏れ落ちる可能性の高い高齢者の聞き取り調査(約20名)も実施する計画をしている。
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Causes of Carryover |
(理由)平成29年度に実施したニューヨークでのフィールドワーク調査における宿泊費を、現地コミュティの協力によって大幅に圧縮できたことによる。 (使用計画)平成30年度は、アンケート調査の集計および報告書作成を行うため、ニューヨークへの出張を3回計画しており、この旅費に充当する計画である。
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Research Products
(2 results)