2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03088
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
守矢 健一 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (00295677)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 法学 / 政治 / 法の自律 / 政治思想史 / 民事法学 / 歴史学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今期は、思うような研究活動ができなかった。それは、主として学内に生じた事情に基づく。その結果として、予算の消化にすら支障をきたしたのは不本意である。辛うじて行いえたのは以下の作業である。すなわち、G.Dilcher, Die Germanisten und die Historische Rechtsschule, 2017 の書評をサヴィニ雑誌のために執筆した(但し、公刊は2018年度)。また、『ドイツ法入門』の改訂作業の文脈で、本研究の成果を可能な限り投入した(が、改訂第9版の公刊は2018年度)。事典の項目のために『歴史法学』を構想執筆中である(がこれも公表は次年度以降)。研究実績として報告できるものは、Asiatischer Rechtskreis, in: Staatslexikon, 8. Aufl.(2017), Bd. 1, Spp. 402-411. だけであるが、これは、大部分、前年度の作業に基づく。 学部演習の枠組において、Pico della Mirandola の Oratio de hominis Dignitate(人間の尊厳について)を一年間かけて精読できたのは、消耗が大きかったが本研究にとっても、主観的には大きな意味を持った。 人文主義と19世紀ドイツ私法学との学問史的関連を訊ねることは、従来、技術的洗練にその特色があるとされてきた19世紀ドイツ私法学の《公法的》性質を分析するにあたって枢要な意味を持つ。しかし最近のドイツの研究においても、この観点は、おそらく行き過ぎた専門分化の副作用もあって、看過されていると思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主として学内の事情による。ここに詳細を明示することを憚られるが、要するに、当初の計画になかった案件に複数回関わることを余儀なくされ、研究時間の大半をそこに投入するのやむなきに至ったことが大きい。不本意ではあるが、手を抜くことは許されない案件であったため、やむを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に遅れた作業を今年度に行うことに尽きる。昨年度、ドイツでは相次いで歴史法学に係る重要な研究があらわれたので、それを批判的に消化することにも意を用いたい。
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Causes of Carryover |
2017年度に本研究に割くはずの時間と労力を大学内の所要によって大幅に削減せざるを得なかったためである。今年度は、本研究の成果の公表に必要な書籍と出張費とに残額を当てたい。
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