2015 Fiscal Year Research-status Report
憲法規範の具体化過程の臨床憲法学的研究――生存権具体化過程を中心に
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15K03106
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
笹沼 弘志 静岡大学, 教育学部, 教授 (70283322)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 憲法 / 生存権 / 生活保護法 / 臨床憲法学 |
Outline of Annual Research Achievements |
憲法規範、特の生存権規定の具体化過程の臨床憲法学的研究の第1年度においては、日本における憲法と生活保護法との関係を中心に研究を行った。また、フランスにおけるRSAを中心とした社会権の具体化過程の研究を並行して行った。 生活保護法が日本国憲法25条の生存権規定を具体化するものだとの認識は一般的なものであるが、なぜいかなる意味で生活保護法は憲法を具体化しているのかについては、十分明らかにされていないどころか、両者の関係把握については極めて混乱したものとなっている。その混乱を示すものであり、かつ生活保護法適用において最大の問題となってきたのが、4条1項の稼働能力活用要件の解釈適用のあり方と大臣による生活扶助基準設定・改訂権限の法的統制の問題である。この両者に関する静岡市内の事件を臨床憲法学的方法により研究を進めたのが2015年度の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フランスでの研究調査、国内での調査等も予定通り完了し、順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
生存権を中心とした憲法規範具体化過程に関する研究の2年度目も、昨年度に引き続き、わが国における生存権の具体化としての生活保護法をめぐる争訟の調査分析に焦点を当てて研究を進める。また、フランスにおける社会権の具体化過程に関する研究も引き続き並行して進める。フランスにおいては、労働法典改正をめぐって厳しい対立が続いているが、これが社会権の具体化過程に及ぼす影響等も合わせて検討したい。
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Causes of Carryover |
昨年度の予算中、最大金額のフランス調査経費について予定した金額よりも少額で完了したため、ごくわずかであるが年度使用額が生じた。フランス調査が年度末になってしまったのは、昨年11月にパリでの同時多発襲撃事件発生により同時期の調査が困難になったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度はフランスにおける調査を早期に完了し、余裕を持って調査を進めることとした。約7千円の次年度使用額についても、図書購入や調査旅費等として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)