2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲葉 一将 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 教授 (50334991)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会関係 / 国家権力の媒介 / 法意識と法制度 / mode of exchange / hierarchy / network / interaction |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の今年度は、「平成28年度研究実施計画」記載の通り、連携研究者との意見交換を行うための研究会の場を設けて、ここで得られた意見を参考することで分析枠組みの確立に向けて思考と議論とを繰り返した。ここでいう分析枠組みとは、(1)行政実務上「支援」と総称されている社会関係を分析するためのもの、(2)(1)の社会関係と国家(法)との対立や矛盾の相互作用を分析するためのもの、(3)対立する社会と国家(法)とのずれを法解釈によって一致させようとするのではなく、社会変動を国家(法)に反映するための法制度の改革を論ずるためのもの、という異なる次元を含む。国家法だけを分析対象とする法学も社会関係だけを分析する社会学も、どちらも一面的で狭隘だから、(1)から(3)までの過程全体の分析が必要である。この2年間において(1)および(2)の次元での分析枠組みは、常に見直しを要するとはいえ、おおむね確立した。しかも今年度においては、実際の行政現象にも新たな展開があった。内閣が行った閣議決定および省庁単位では厚労省に設置された検討会が公表した答申類において、「地域共生社会」、「地域力強化」、「地域づくり」、住民が地域づくりに「主体的に取り組む仕組」などといった地域社会形成を意味する語が国家行政によって用いられた。このような行政現象があらわれたことによって、社会関係と国家行政との相互作用を法学的見地から分析するという本研究の必要性も一層はっきりした一年間となった。なお、以上に述べた研究実績を、2017年4月刊行の雑誌媒体においてごく概括的に述べる機会を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施計画の通りに研究が進行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
連携研究者および連携研究者以外の研究者との意見交換を通じて、研究を推進する計画である。
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