2015 Fiscal Year Research-status Report
「東アジアにおける『共和国』の意味ー韓国を中心に」
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15K03108
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
國分 典子 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40259312)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 共和国 / 国民 / 民主主義 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、韓国の「共和国」概念の歴史的発展および今日の議論を基軸に、中国や日本の「共和国」についての理解がこれにどう関わっているか、また西洋の「共和国」概念が東アジアの国家思想のなかでどのように位置づけられるものであるのかを検討し、東アジアの「国民国家」の意味を再考しようとするものである。27年度はこの研究の初年度にあたるため、まず韓国におけるこの分野の研究状況を把握することを考え、主に韓国国会図書館において「共和国」概念や共和主義に関連する韓国の研究論文等を網羅的に収集するよう、努めた。これらについては次年度以降も読み進めつつ、今後の論文執筆の基礎とする予定である。 また1948年の韓国憲法制定当時の資料として、主に韓国の制憲国会議事録を読み、憲法第1条の「民主共和国」についての規定の制定背景を分析することに努めた。 以上を元に、27年度に発表した論文としては、Noriko Kokubun, The Rise of Korean Constitutional Thought(1875-1945): An East Asian Perspective, in: Marie Seong-Hak Kim (ed.), The Spirit of Korean Law: Korean Legal History in Contxet, Brill Hijhoff(Leiden/Boston)107-128 がある。 また、27年度の研究実施計画中のもう一つの課題であった現代の国民概念に関連しては、アジア法学会2015年11月15日の秋季研究総会において、「韓国の大統領制における国会の機能」と題して、韓国の国民主権が現代の統治体制の中で有する意味を国会の機能を通して分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の予定では、夏休みに韓国において時間をかけて歴史史料の収集を行うとともに、それを元に論文執筆を進めるつもりであった。しかし、極めて個人的な事情ではあるが、8月始めに高齢の父が手術をし、その後、半年ほど、その世話をすることとなった。このため、韓国では現代の関連論文はある程度収集できたものの、過去の史料の調査収集を充分に行うことができず、またこれを用いての論文執筆を当初の予定通り進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度に充分に行うことのできなかった史料の調査収集については、28年度夏季の休業期間を用いて行う予定である。28年度には、27年度に遅れていた論文の完成を進めると同時に、当初の予定であった、韓国以外のアジア地域(日本、中国、台湾等)における「共和国」の概念形成についての史料を収集・分析したい。
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Causes of Carryover |
27年度予定していた夏季の韓国における史料収集を家庭の事情(高齢の父の手術とその後の世話)のために果たすことができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、27年度に果たせなかった韓国における史料の調査・収集を夏休みを利用して行う予定である。また27年度に予定していた国内での資料収集も充分にできていないため、27年度の残額はこれらの資料購入費および資料収集のための旅費として主に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)