2018 Fiscal Year Annual Research Report
The interaction between Authoritarianism and Constitutional Democracy
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15K03123
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
松平 徳仁 神奈川大学, 法学部, 准教授 (70554872)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 権威主義体制 / 立憲主義 / 民主主義 / 東アジア / シンガポール / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北米中心の比較憲法研究で近時主題化がすすんでいる「競争型権威主義」の概念に象徴されるような、立憲民主政と権威主義体制の相違の相対化を、東アジアを素材に検証することを目的とする。本研究を通じて、リベラル・デモクラシーに軸をおく立憲民主政を完全に採用せず、シンガポールなどで見られるような競争型権威主義を志向する中国の大国化や、香港・台湾の学生による、体制外のラディカル・デモクラシーの試みで見られるような反権威主義的傾向について、憲法学および関連の社会科学にもとづく体系的説明・分析は可能になり、また中国語圏の「民主化」運動とは反対の方向に向かっているかに見える、日本における立憲民主政の動揺についても批判的視座が獲得されることが期待される。 最終年度にあたる平成30年度には、①それまでの研究成果をふまえ、公刊予定である中間報告に対する国内外の比較憲法・政治研究者の評価を取り込み、もってそれまでの研究を再点検した。②「権威主義体制と立憲民主政の相互作用――東アジアの場合」というテーマで研究内容の総括を行い、専門家的権威の衰退をエスニックな共同性に根拠を求める権威主義で糊塗する傾向、権威・寡頭制的要素と反権威主義を同時に内包する現実の民主政における立憲主義の役割、競争型権威主義の影響を受けている東アジア諸国の憲法体制の展望を明らかにする論文集の出版を予定している(2020年中に刊行予定)。
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Research Products
(3 results)