2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comparing Legal System on Migrant Integration
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15K03125
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
近藤 敦 名城大学, 法学部, 教授 (30215446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移民政策 / 統合政策 / 外国人の人権 / 多文化共生 / 憲法 / 国際人権法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、各国の移民統合法制を比較分析し、差別禁止法制、医療・保健制度、永住許可、国籍取得、教育、政治参加、労働参加、家族呼び寄せといった8つの分野における移民の権利保障と社会参加のあり方を具体的に検討するものである。2015年度は、移民統合法制の総論的研究を行い、2016年度は、差別禁止法制および医療・保健制度について検討した。2017年度は、永住許可制度および国籍制度の比較について考察した。そして2018年度は、教育制度および政治参加制度について、国際人権規範の影響を受けた諸外国の人権規範に関する憲法学説・判例・法制度を検討し、とりわけ、多文化教育や母語教育の問題を比較分析した。その成果を多くの論文や学会報告で発表した。国内外の報道機関の取材にも対応し、成果の一部を広く社会的に還元することにも努めた。集約した成果については、単著『多文化共生と人権』を2019年3月に刊行した。そこでは、少子高齢化、グローバル化、人手不足の深刻な日本にあって、焦眉の課題とされている2019年4月からの政府の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の課題と展望についても現時点において明らかにした。 研究の多くの時間は、日本、イギリス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ、カナダおよび韓国に関する文献渉猟に当てられる。各国の比較を実務のレベルでも行い、各国の社会的背景においても比較する上では、各国を代表する研究者や実務家とのネットワークによる情報交換や現地調査を必要とした。
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