2018 Fiscal Year Annual Research Report
State control on Health Service System- comparative studying England and Korea-
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15K03149
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
片桐 由喜 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80271732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療保障制度 / 国家統制 / イギリス / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国にとって最も適合的、実現可能な医療保障制度に対する国家統制の合理的なあり方を探ることである。この検討のために、日本と対照的な制度を採用しているイギリス、および、日本を範として創設されたけれども、その後、大きく方向転換した韓国の各制度を比較対象として選定した。 最終年度である2018年度にはイギリス、および、韓国に調査、資料収集に赴き、各国の国家統制の状況を調査、再確認を実施した。韓国の医療保険制度に関しては、国家統制の最も効果的、かつ、可視的な手法である財政統制、具体的に言えば、医療保険財政に対する国庫支援について詳細な調査、検討を行った。社会保険方式を採用しながらも、保険料収入だけでは公的医療保障制度を運営できず、国庫支援を得ている点は日本も同じである。その意味で、韓国における国庫支援の概要、効果、および、課題から得られる示唆は日本にとって有益である。 イギリスは、そもそもが租税による医療制度運営であるため国庫支援という概念はない。それは予算配分という形で現れる。そして、この予算配分が国家の医療政策を誘導するための機能を果たしている。本年度の研究では、イギリスが注力する政策、具体的には医療資源(財源、人材、施設など)の適正利用のために、何を評価し(予算の配分強化)、実際にどのような効果が表れているかを検討した。 公的医療保障制度は国民に良質な医療を平等に提供することを目的とする。この実現のためには国家の関与、つまり制度に対する国家統制が不可欠である。本研究はかかる国家統制を比較法的に検討し、日本への示唆点を抽出した点に意義がある。
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Research Products
(2 results)