2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03159
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
富永 晃一 上智大学, 法学部, 准教授 (30436498)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報取得 / プライバシー / 差別禁止 / 平等取扱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先行事例である海外の制度との比較法的検討を通じ、新たな差別禁止事由を中心に、センシティブな情報の取得・活用をどのように認めるべきかという問題を検討するものであり、本年度(平成28年度)はアメリカ法を中心として、文献収集を行うこととしていた。 本年度は、アメリカ法について、Lexis、Westlaw、HeinOnline等のデータベースを利用して、障害者差別のみならず、その他の差別禁止事由にかかる情報取得制限や、判例・学説等の収集・文献(判例、書物、論文等)の収集を行った。 また日本法についても、労働法という分野別の視点に限らず、補足的にいわゆる情報法と呼ばれる分野の文献を中心に収集を続け、また労働者のプライバシーが問題とされた事例を中心に、東京大学の労働判例研究会において、2件の判例に関する報告を行った(就労能力の低い障害者を雇用したが、結局解雇したという事例において、労働契約の錯誤無効または詐欺取消の成否が問題とされた三益興業事件・東京地判平成28・5・18労働判例ジャーナル54号55頁(2016年12月16日報告)「専属マネージメント契約」を中途解約したいわゆるアイドルについて、男女交際禁止違反に基づく損害賠償請求がなされた事案である芸能事務所A事件・東京地判平成28・1・8労判1139号82頁(ダ)(2016年10月28日報告))。また、後述のように、情報取得に対する中心的な制約の一つである差別禁止法理に関する検討として、2件の論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に述べたとおり、日本法・アメリカ法ともに、今後も継続して補足的な調査の必要はあるものの、おおむね当初の計画どおり研究計画を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、日本法・アメリカ法ともに、おおむね当初の計画どおり研究計画を進めているが、今後も継続して裁判例等に関する補足的な調査の必要があるため、これらを続行する予定である。また、ドイツ法については、量的に非常に多量となるため分野(差別禁止事由)を絞る予定ではあるものの、29年度に実施したいと考えている。
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Research Products
(2 results)