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2015 Fiscal Year Research-status Report

錯誤、詐欺、不実表示および説明義務違反に関する法制度間の適用関係

Research Project

Project/Area Number 15K03222
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

新堂 明子  法政大学, 法務研究科, 教授 (00301862)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywordsモーゲージ / 住宅担保貸付 / サブプライム・ローン / サブプライム・モーゲージ / 錯誤 / 損益相殺的な調整
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度の研究実績は次の通りである。
(1)Oren Bar-Gill, "Seduction by Contract", '3. Mortgages'(オレン=バーギル『契約による誘引』「第3章 モーゲージ(住宅担保貸付)」)の和訳を手掛けた。本章は、リーマン・ショックをひき起こしたサブプライム・ローンないしサブプライム・モーゲージ契約の不履行の原因について、その締結過程と内容に遡って考察し、これらに対する適切な規制の在り方を提示するものである。契約内容については、貸し手と借り手の特性、費用の繰延べ、当初2~3年間の低率の後に高率に変化する契約、各種手数料、繰上げ返済とそれに対する違約金、担保実行手続費用について検討している。契約締結過程については、借り手が自身の締結した契約の内容を理解していなかったこと、そして、これを理解させる方策(Aannual Percentage Rate, APR)について検討している。本章の内容の正確な理解は、本研究の目的である錯誤、詐欺、不実表示および説明義務違反に関する要件および効果の総合的分析に大いに資する。
(2)債務不履行または不法行為に基づく損害賠償法理(損害論、効果論)に関連して、労災保険給付や公的年金給付といった社会保障給付と損害賠償との間での損益相殺的な調整について分析を行った。とくに、最大判平成5・3・24民集47巻4号3039頁および最大判平成27・3・4民集69巻2号178頁を中心に、判例を詳細に分析した。
(3)Hugh Beale, "Mistake and Non-Disclosure of Facts, Models for English Contaract Law"を通読した。これは、イギリス法における錯誤および事実不開示制度について法の欠缺の有無および立法論の提示を試みるものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、錯誤、詐欺、不実表示および説明義務違反に関する要件論と効果論の究明、さらに、上記諸制度の関係の究明を目的とする。
(1)平成27年度は、錯誤について、重要文献を通読することに終止したが、平成28年度はこれをまとめたいと考えている。
(2)平成27年度は、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償法理(損害論、効果論)について、損益相殺的な調整という場面に限定して検討した。平成28年度以降、上記諸制度の要件論の検討を進めるとともに、上記研究成果たる損害賠償法理(損害論、効果論)を基礎に据えて、上記諸制度の効果論の検討を進める。

Strategy for Future Research Activity

本研究は、錯誤、詐欺、不実表示および説明義務違反に関する要件論および効果論の究明、さらに、上記諸制度の関係の究明を目的とする。
(1)イギリス法における錯誤論、錯誤の要件論および効果論、さらに、解釈論および立法論についてまとめる。
(2)イギリス法における不実表示の要件論および効果論を検討する。とくに19世紀おわりから20世紀はじめにかけ、他国に先駆けて判例が確立するが、なぜこの時期に確立したか等を含め、これを検討したい。
(3)債権法改正に関連して、平成28年度は、第三者のためにする契約の要件論、効果論および改正の内容をまとめなければならない。上記諸制度との関連性を見極めつつ、検討を進める。とりわけ第三者のためにする契約法と不法行為法との交錯について解明しなければならない。

Causes of Carryover

契約責任と不法行為責任が交錯する問題における純粋経済損失について研究を進めるため、小久保孝雄=徳岡由美子編著『リーガル・プログレッシブ・シリーズ 14 建築訴訟』(青林書院、2015年、定価(本体5,100円+税))を購入する必要が生じたが、金額に不足があったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

翌年度分として請求する助成金と合わせて、上記和書を購入する予定である。

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Published: 2017-01-06  

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