2017 Fiscal Year Research-status Report
災害対応型コミュニティ・リーガル・サービスの国際比較研究
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15K03250
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
飯 考行 専修大学, 法学部, 教授 (40367016)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 災害法 / コミュニティ / リーガル・サービス / 地域連携 / 弁護士 / 被災者 / 司法アクセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害復興を視野に入れたコミュニティ・リーガル・サービス(地域社会のニーズに対応する法サービス)を、日本、アメリカ、オーストラリアで比較検討し、そのあるべき姿を構想することを目的とする。 3年目にあたる2017年度は、過去年度の研究実績を踏まえて、アメリカ、オーストラリア、日本の関連文献調査とともに、日本のコミュニティ・リーガル・サービスの制度と実情に関する訪問調査を行い、学会報告と論文執筆により研究成果を公表した。 文献調査では、国内外の災害と法に関する論考を渉猟した。訪問調査は、国内で、東日本大震災の津波被災者遺族のヒアリングを、岩手県の陸前高田市、宮城県の仙台市、石巻市、女川町などで複数回行った。 学会報告は、日本法社会学会学術大会(東京)、法社会学国際会議(メキシコ・メキシコシティ)、ヨーロッパ日本学会(ポルトガル・リスボン)、日本災害復興学会大会(大阪)、アジア法社会学会大会(台湾・新竹)において、本研究にもとづく知見を報告するとともに、各地の参加者にコメントを求めた(5、6、8、9、12月)。上記学会報告のほか、研究の過程で得られた知見にもとづいて論文にまとめた。 以上の文献調査ならびに訪問調査、学会報告と論文執筆により、昨年度の研究を引き継ぎ、次年度に向けた研究のとりまとめを展望することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り、国内外の文献、訪問調査を実施した。 他方、オーストラリア訪問調査は、先方とのスケジュールの調整がつかず、実施が困難であったため、2018年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる2018年度は、日本、アメリカ、オーストラリアのコミュニティ・リーガル・サービスに関する制度と実情に関する文献、訪問調査のとりまとめを行う。 学会報告は、日本災害復興学会大会で、本研究の成果を報告し、参加者に意見を求める予定である(10月、東京)。また、日本において、災害に対応する法サービスの実情を調査するため、東北を含む被災地の被災者や法サービス機関等の訪問を行う。 あわせて、日本、アメリカに加え、オーストラリアのコミュニティ・リーガル・サービスの制度と実情に関する文献、訪問調査にあたる。 以上の調査研究を通じて、日本、アメリカ、オーストラリアの災害対応型コミュニティ・リーガル・サービスの比較検討を行う。 研究にもとづく知見は、上記を含む学会報告と、論文、報告書で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
オーストラリア訪問調査は、先方とのスケジュールの調整がつかず、実施が困難であったため、2018年度に行う予定である。
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Research Products
(11 results)