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2017 Fiscal Year Research-status Report

現代米国政治のイデオロギー対立における宗教的要因

Research Project

Project/Area Number 15K03260
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

飯山 雅史  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80732023)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywordsアメリカ政治 / トランプ政権 / 宗教と政治 / 政党再編成 / 大統領選挙 / 投票行動
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、当初の予定を変更して、トランプ政権の誕生に伴う政党支持基盤の変化を、長期的な政党再編成の可能性を含めて分析することを目指している。
研究開始時点では、宗教と政治をメインテーマとし、宗教伝統主義の強いキリスト教福音派が、民主党支持層から大規模に共和党支持層に転向してきたことによって共和党が変質し、新たな政党対立構造が生まれたことを基礎として、現在の政党対立構造を分析するものとしてきた。この福音派は社会的属性では、低学歴低所得層という側面を持っている。そして、トランプ大統領の反グローバリズムを支えて支持基盤となったのは、この低学歴低所得層であり、トランプ政権には宗教色が薄いものの、実態は同じような社会階層に支えられた政権ということができる。
しかしながら、この支持層は、特にグローバリズムに関して、伝統的な共和党支持層と意見が大きく食い違う。このため、トランプ政権の誕生は、今後、共和、民主両党の支持基盤を組み替え、政党再編成につながるような政治振動を引き起こす可能性を秘めており、昨年のトランプ政権誕生後は、こうした政党再編成の可能性を計量分析することを主眼とするように方向転換している。
分析の結果が持つ政策的含意は、共和党と民主党が今後、支持基盤と政策内容において大きく変質していく可能性があるということである。それは、米国を主要な同盟国とする日本が強い関心を持つべき政治変動が生まれるかどうかを予測する一助ともなるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

29年度は、トランプ政権の幹部構成が次々と変化し、政策の方向性も大胆に、あるいは気まぐれに変化を続けてきたことから、分析の方向性が定まらず研究が進展したとは言い難い状態になった。トランプ政権は発足前は、主要支持基盤である白人労働者階級の利害に沿って保護主義的な志向を示していたものの、政権誕生後は特に外交政策分野において米国外交の伝統的な路線を踏まえたスタッフを中心に正統的な外交政策が打ち出されてきた。ところが、中間選挙が近づくにつれて、大統領選挙時に見られたようなポピュリスト的なイメージが強まり、国務長官や安保担当補佐官への極端なタカ派人脈への入れ替えなど、大きく方向性が転換している。
こうして大きな政策変化が起きる中では、分析の途中ですでにその内容が現状に合わなくなることもあり、具体的な分析にはいるのが困難な状態でもある。

Strategy for Future Research Activity

近くアメリカの最も信頼がおける統計調査の一つである全米選挙調査が2016年選挙に関してデータ・セットを公開すると思われるので、それを用いて計量的分析にとりかかる。また、トランプ政権の政策の方向性を注意深く観察し、それが、政党対立の新たな亀裂を生み出すものなのか、あるいは、結局、従来の共和党と民主党の対立枠組みに引き戻されていくものなのかを判断する。それによって、政党再編成につながるような政治変動発生の条件が生み出されるかどうかがわかるからである

Causes of Carryover

研究の方向性が若干修正されたことに加え、学内での事務作業負担が増えたことから研究が遅れている。次年度の研究進捗状況にもよるが、補助対象期間を1年延長申請することも視野にいれている

URL: 

Published: 2018-12-17  

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