2015 Fiscal Year Research-status Report
コミュニタリアニズムと幸福研究――政治経済学における理論的・実証的展開
Project/Area Number |
15K03263
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 正弥 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60186773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 哲生 千葉大学, 法経学部, 准教授 (10384869)
石戸 光 千葉大学, 法経学部, 教授 (40400808)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポジティブ心理学 / 幸福研究 / 政治経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献による思想的・哲学的研究を行った上で、主に政治学・経済学・社会学・心理学の理論や実証研究の知見を包括的に考察した。それに加えて、ヒアリング、アンケート調査などの実証研究を開始した。千葉大学の学生を対象に調査票記入を行ってもらい、以前の予備的な調査の結果とあわせて分析を開始した。データ収集手法はポジティブ心理学、幸福研究の先行研究を参考にした。研究代表者以下3名のメンバーと連携研究者とが分担して取り組んだ。各自が分担研究を進めつつ、年間3回の全体研究会を行い、公共哲学センターで毎月ミーティングを行って進行状況を確認した。 小林は、ポジティブ心理学とアリストテレス哲学の関係について、「ポジティブ心理学のアリストテレス的解釈」というタイトルでポジティブ心理学国際学会で発表した(6月27日、フロリダ)。またポジティブ心理学と政治経済学との関係についてペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターで報告し、少人数で議論した(12月4日)。これらを通じて、ジェームズ・ポウェルスキ博士やジョナサン・ハイト博士ら海外研究者と意見交換を行って貴重な知見を得た。ポジティブ心理学と公共哲学の関係について日本ポジティブサイコロジー医学会で報告した(11月28日)。 小林と石戸は、千葉大学公共学会で研究内容について「幸福についての公共研究ーーポジティブ心理学と政治経済学」という講演会を行い、その内容を『公共研究』第12巻第1号(2016年3月)に掲載した。 小川は、ソーシャル・クオリティの研究成果を研究会で報告して、他の幸福研究の指標や成果との関係を整理した。また英文論考を執筆して、今後の公表への準備を進めた。 連携研究者の木下と小林は富岡市・高山市などで実証調査の可能性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小林・石戸に関しては、当初の予定通りに研究を進めて成果を公表した。海外の研究者との交流も実り多く、今後の研究についての貴重な示唆を得た。 小川は今年度は成果の発表には至らなかったものの、原稿執筆は行っており、来年度以降にそれを完成させて公表させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
全体を検討しながら、分野別の研究を継続する。今年度は順調に進展したので、来年度も引き続きこの態勢で遂行する。実証調査を継続し、今年度からデータ分析を本格的に行う。小林・石戸・小川は年度末に『公共研究』にて成果発表を行う。小林は、ポジティブ心理学と公共哲学やコミュニタリアニズムについて日本語論文と英語論文を執筆し、『ポジティブ心理学ジャーナル』ないし『幸福研究ジャーナル』に英文論文を投稿する。さらに、10月には日本ポジティブサイコロジー医学会で議論を行い、成果を公表することを目指す。自治体における実証調査の可能性については引き続き検討を行う。
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Research Products
(4 results)