2015 Fiscal Year Research-status Report
意思決定と空間:歴史資料の再解析による政治的空間データの構築
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15K03268
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員教授 (00092338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
砂原 庸介 大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (40549680)
手塚 洋輔 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (60376671)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (70361673)
小宮 京 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80451764)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本政治 / 政治史 / 日記 / オーラル・ヒストリー / 空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1年度である平成27年度は,東京大学先端科学技術研究センターを拠点に研究支援を得つつ,研究体制の構築を行ったほか,研究代表者・分担者が基礎的作業として個別研究に従事し,次年度以降の全体研究への足がかりを得たと総括することができる。 これ以外の具体的な成果としては,まず第1に,研究代表者である御厨は,これまでの研究と本研究での成果を盛り込んだ教材(『権力の館を考える』)を刊行した。とりわけ本研究課題との関連でいえば,首相官邸や首相の私邸に着目してその内部配置や空間的距離がもたらした権力作用の断面を照射した。 第2に,オーラル・ヒストリーの研究集会に参加し,意思決定と空間という観点も含めて,オーラル・ヒストリーの蓄積と戦後政治行政研究の深化について話題提供を行うとともに,行政資料調査等についての成果およびノウハウの共有をはかった。その一つとして,庁舎の配置図や席次表を利活用することでより現実に肉迫した聞き取りができるとともに意思決定の経路が明確になる効果があることを紹介した。 第3に,研究分担者である牧原が中心となって「権力と公共空間の相互作用」に関する研究会(共催)を適時開催し,研究分担者以外にも政治史や社会教育学といった関連分野の研究者を招いて学際的な議論を行った。テーマも議事堂・公会堂・庁舎などの公共建築のほか,水道といったインフラにも射程を拡げたものとすることで,現行の研究水準を確認するのみならず,理論的視角の検討を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では,今年度後半より研究会を開催することとしていたが,ひとまず,個別分析及びオーラル・ヒストリーの研究集会への参加を優先することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
資史料の再解析作業については,第1年度に予定されていた分も含めて,第2年度以降に精力的に推進する。そのため,引き続いて東京大学先端科学技術研究センターを拠点に研究支援を得る。
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Causes of Carryover |
年度後半より開始予定の再解析にかかる研究会を次年度以降に行うこととしため,旅費等で未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究会の開催に伴う旅費等に使用する。
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Research Products
(7 results)