2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03296
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福田 耕治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20165286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 八寿絵 帝京大学, 医療共通教育研究センター, 准教授 (60625119)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EU / 成長戦略 / イノベーション / 日欧比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、平成28年度は、日欧の新成長戦略とイノベーション政策を比較分析し、雇用政策や社会保障に及ぼす影響について研究を深めた。その成果は、英国のRoutledge社より、欧州の著名な政治経済学の研究者たちとともに最近刊行した英文の共著書において、下記の単独論文として発表した。Koji Fukuda(2017),〝Growth, Employment and Social Security Governance in the EU and Japan”,Policy Change under New Democratic Capitalism (Routledge, forthcoming),pp.121-138.(査読有)。また英国EU離脱をめぐる国民投票の結果を受け、EUの成長戦略にどのような影響が及ぶのかを10月8日大阪大学で開催されたグローバル・ガバナンス学会において、「英国EU離脱の衝撃と欧州統合の行方」というテーマで報告を行った。その他の関連する研究実績として、福田耕治(2016)「EUの制度と政策のイノベーション―新しい政体・欧州ガバナンスの仕組みとデモクラシ―」『EU統合を読む』春風社、57-88頁.福田耕治編著(2016)『EUの連帯とリスクガバナンス』成文堂および福田耕治編著(2016)『EU・欧州統合研究・改訂版』成文堂を刊行した。 研究分担者は、日本生命倫理学会(於:大阪大学)において12月4日「医学教育におけるヒューマニティ・コンピタンシーをいかに育成し、評価するのか」というテーマで研究報告を行い、医療教育イノベーションについて考察した。また2017年3月18日(於:東京大学)日本医療安全学会において「自動車運転に支障のある医薬品の規制」という論題で報告し、医薬品の規制をめぐる日米欧比較を行い、イノベーションに言及した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EU科学技術計画「ホライズン2020」では、産業リーダーシップと社会的課題の枠組みにおいて、優先課題が設定されている。特に社会的な課題では、「包括的、イノベ―テイブで内省的な社会」が掲げらている。英国は、経済成長と国際競争力強化の目的から、イノベーションに重点をおく政策をとってきたが、EU脱退に伴い、今後はEUからの研究補助金が得られなくなるため、科学技術研究に資する人材確保が困難となり、ドイツ、へとイノベーションを担う人材の移動が進むことが予想される。そこで最終年度は、ドイツその他の加盟国におけるイノベーション政策の動向も捉えていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
「欧州2020」新成長戦略では、知識基盤と産業基盤の強化のためにR&D投資の3% の目標を掲げ、イノベーション・ユニオンと欧州イノベーション・パートナーシップの枠組みをつくり、官民連携のイノベーションを展開しようと試みている。そこで今後は、科学技術イノベーションと社会イノベーションの両面を見据えながら、EUイノベーション政策の全貌を把握しつつ、日欧比較分析をすることにしたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者が、社会調査を実施したところ、残預金が海外調査を行うには足りなくなった。そのため、一部残預金が生じてしまったが、次年度に繰り越し、利用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、本研究の最終年度となうため、当初の研究目的を十分達成できるよう、使用可能な研究費を活用して、補足の研究調査と学会報告のための旅費・宿泊費とする予定である。
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