2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ethnic problem approach to Chinese political reform research
Project/Area Number |
15K03299
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
星野 昌裕 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00316150)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 中国政治 / 民族問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国の政治体制改革研究に対して、少数民族政策の視点から新しい視座を獲得することを研究の目的としている。この研究目的を達成するために、2017年度も複数の海外出張を行い、中国・新疆ウイグル自治区でのフィールドワーク、ロンドンおよび香港での資料収集、北京と天津での成果報告と意見交換を行った。新疆ウイグル自治区でのフィールドワークは、7月10日から7月17日まで南疆とよばれる新疆ウイグル自治区南部のカシュガルなどで実施した。これらのエリアには、イスラム教を信仰するウイグル族が多く住み、これまで中国政府の発表や中国のメディアなどで様々な民族問題の発生が報じられてきたところであり、このフィールドワークから多くの知見を得ることができた。8月9日から12日までは、ロンドンのThe National Archives United Kingdomで資料収集を行った。イギリスは植民地であるインドなどを通じてチベットと伝統的に深い関わりを持っており、その関連資料を中心に資料収集を行った。12月26日から29日までは香港へ出張し、香港中文大学中国研究サービスセンターにおいて、中華人民共和国期の少数民族関連資料の収集を行った。 3年間の研究期間を終える2018年3月には、北京大学、中国社会科学院政治学研究所、中国共産党中央党校、南開大学関係者と研究課題の成果について意見交換を実施した。 このほか、2017年5月5日にモンゴル国立大学がウランバートルで開催した国際シンポジウムで、北朝鮮問題をめぐるモンゴルの政治外交上の役割に関する研究報告を行ったさいには、中朝国境に多く居住する少数民族・朝鮮族の視点を取り入れたほか、研究論文として「習近平政権期における民族問題と政策論争」を発表し、研究成果を論文のかたちで公表するとともに、今後の研究課題について議論を展開した。
|