2015 Fiscal Year Research-status Report
トルコのEU加盟問題の今日的課題とヨーロッパ国際関係をめぐる研究
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15K03310
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
東野 篤子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EU / トルコ / 規範 / 難民に関するEUトルコ合意 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は研究初年度にあたるため、まずは二次文献の整理と、次年度以降の研究発展のための準備に多くの時間を割いた。本年前半は、EU・トルコをめぐる二次文献の整理に徹した。本課題正式採択前に自費で買いそろえた書籍も多く使用しながら研究を進めたため、本年度の支出はさほど多くはなかったが、研究そのものは大きく進めることができた。折しも、トルコを経由してEUに到達する難民の数が急増した時期に合致していたため、EU・トルコ関連の報道も飛躍的に増えた。このため多くの時間をこの情報整理に費やした。 本年中盤以降は、引き続き二次文献整理と情報整理(とりわけトルコによるロシア戦闘機撃墜事件や、難民に関するEUトルコ合意などの大きな動きに関するもの)を行いつつ、本研究を基課題とする科研費(国際共同研究加速基金(国際共同研究強化))出願のための準備を行った。これに関しては、2016年1月に採択の連絡をいただいたため、2016年度は基課題である本研究と、国際共同研究加速基金との研究を両立させていくことになる。さらに、2016年9月にトルコのイズミールで実施されるEISA(ヨーロッパ国際政治学会)でのペーパー報告のためのプロポーザル提出準備を行った。これに関しては、先日プロポーザル採択の連絡があったため、その旅費を確保するため、2015年度の研究のための支出は控えめにし、2016年度の予算と合わせて学会報告のための渡航資金として使用することとした。 これ以外にも、本研究のベースとなるEUの規範に関し、著作4本(論文2本、コラム2本)を公刊、国際シンポジウムでのパネル報告を1回、EUとウクライナ関係、EUと東アジア関係に関して、それぞれ1本ずつ論文を公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二次文献や報道情報の整理などについては順調に進展した。本研究を基課題とした国際共同研究加速基金も採択され、来年度の国際学会での報告プロポーザルもアクセプトされた。その一方で、トルコで頻発するテロのため、2015年度に関してはトルコにおけるインタビュー調査および資料収集は見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は基課題である本研究と、国際共同研究加速基金との研究を両立させていくことになる。さらに、2016年9月にトルコのイズミールで実施されるEISA(ヨーロッパ国際政治学会)でのペーパー報告が決定しているため、その準備も実施する。EISA会場で複数のトルコ人研究者・実務者とのインタビューも手配を進めている。テロの危険性などについては今後とも注意を払いつつ、情勢が許せばイスタンブールおよびアンカラにも立ち寄り、インタビューと資料収集を進める。
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Causes of Carryover |
次年度にトルコのイズミールで実施される国際会議(EISA)での研究報告が決定しているが、イズミールは日本からの直行便がなく、航空券も高額であるため、2015年度予算から余剰を生じさせる必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に予定している国際学会への渡航で、2015年度の余剰分と2016年度の予算の多くは消化される見込みである。残留分は書籍購入と学会報告ペーパーの英文校正に用いるため、2016年度終了時点でこの残額はほとんど消化される。
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Research Products
(4 results)