2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03325
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
西田 竜也 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80589028)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 国際政治 / 国際関係 / 外交 / 米国外交 / 同盟 / 英国外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は基礎段階として、1)米国、英国とソ連による大同盟成立経緯と運用の実態、2)1939年から1945年にかけての米英間の軍事協力とその協力が連合参謀本部(CCS)、そして、連合国の統合司令組織へとつながる過程、そして3)太平洋戦線での米英間の軍事協力の実態と司令組織のあり方につき、事実関係を中心に調査を行った。具体的には、まず第二次世界大戦中の大同盟の成立と運用、そして連合国の統合司令組織の発展経緯に関する歴史学、政治学、特に国際関係理論の文献、及び米国政府刊行の外交・軍事文書、政策決定者の回顧録資料を収集し、その後現在まで、読み込み、そして分析を行っているところである。 その上で、2015年9月2日から17日にかけて、米国メリーランド州にある米国国立公文書館、およびニューヨーク州にあるルーズベルト大統領図書館でアーカイブ調査を行った。国立公文書館では、米国政府の外交・軍事文書のうち、大同盟の成立と運用、そして連合国の統合司令組織の発展経緯に関する資料の把握と確認、そして、ルーズベルト大統領図書館では、ルーズベルト大統領の第二次世界大戦の欧州戦線と太平洋戦線における戦略や政策に関する文書の確認と把握を行った。 さらに、ジョンズホプキンス大学、コロンビア大学およびハーバード大学で、本件に詳しい研究者に面談をお願いし、調査の方向性や資料の所在に関し、アドバイスをお願いした。 現地調査終了後は、収集した資料の整理、データ化と分析を始め、現在も進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、当初想定していたより、文献及び資料の確認と収集に手間取り、時間がかかってしまった。そして、また当初考えていた以上の多くの文献が見つかり、これを読み込み、整理、データ化、分析するのに、時間がかかっている。 また、米国での現地調査においても、調査すべき資料の量が膨大であることが判明しており、当初想定していた以上の資料を調査する必要が出てきており、今回の現地調査では予定していた調査をすべて完了することができなかったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、できるだけ速やかに以上に述べた遅れを取り戻したいと考えている。また、米国での現地調査は再び行う必要があると考えており、これは今年度もしくは来年度に再び行うことを検討したい。 その上で、英国での現地調査を行い、1)大同盟の成立に英国が果たした役割と、その関与の度合い、2)米英連合参謀本部(CCS)及び欧州戦線での統合司令組織の成立に英国が果たした役割と貢献の程度、3)アジア太平洋戦線での英国の戦略と政策選考及び米英の軍事協力のあり方とその限界に焦点を当てて資料の調査と収集を行いたい。具体的には、英国国立公文書館(United Kingdom National Archives)にある外務省と首相府の公文書、閣議文書及び統合参謀本部文書を中心に収集する。次に、英国の外国・軍事政策に重要な役割を果たしたチャーチル(Sir Winston Churchill)首相の関連文書が大英帝国戦争博物館(Imperial War Museum)及びケンブリッジ大学チャーチル文書センターに所蔵されていることから、これら博物館、文書センターでも資料を収集する。
|
Causes of Carryover |
当該年度では、当初予定していた文献及び資料の収集が思うように進まず、そのデータ化及び分析を十分に行える状況になかった。したがって、データ化及び分析に必要だと考えられたパソコン機材の購入を当面延期することとした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ただし、資料の収集、整理、データ化のより効率的効果的な処理のためには、新規のパソコン購入は不可欠であり、今年度は文献及び資料の収集が進むと考えられることから、購入する予定である。
|