2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03325
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
西田 竜也 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80589028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第二次世界大戦 / 米国外交 / 英国外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度に米国での公文書館等で収集した文書や資料が膨大に上ったことからこれらの情報の整理と解析にほとんどの時間を費やすこととなった。しかし、こうした文書の分析から、米英ソの戦略や米英ソ間の協力のあり方がある程度見えてきたような感触を得ている。具体的には、米国の欧州戦線及び太平洋戦線でのそれぞれの戦略とその相違や、米国側から見た米英ソ間の軍事協力の実態と運用、特に、米英間の連合参謀本部(CCS)の設立経緯と運用プロセス、そして米英とソ連の間の協力のあり方につき、概要を一定程度明らかにすることができた。 中でも、第二次世界大戦中の欧州戦線につき、北アフリカ上陸作戦(Gymnast)、ノルウェー上陸作戦(Jupiter)、北フランス上陸作戦(Round-up)、限定的上陸作戦(Sledgehammer)等が検討され、結局北アフリカ上陸作戦が選好された理由や経緯を把握できてことは大きな成果であった。そして、その後のノルマンディー上陸作戦で端的に示されたように、数十カ国の軍隊の統合と統合司令組織の設立に結びついていくが、この設立プロセスについても特に米英間の間で紆余曲折を経ながらも、これまでにはない大規模での協力に結び付いていく姿が一定程度把握することができた。 また、英国での現地調査をすべく、そのための準備を進めることもできた。具体的には、英国の第二次世界大戦戦略や英国がCCSの設立に期待した目的などを、既存文献や公刊された外交文書等を可能な限り網羅することで、一定程度明らかにすることができた。具体的には、大同盟の成立に英国が果たした役割とその関与の度合い、CCSで英国が果たした役割と貢献、アジア太平洋戦線での英国の戦略と政策選考の概要が把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、平成28年度は英国国立公文書館(United Kingdom National Archives)やケンブリッジ大学チャーチル文書センターでアーカイブ調査を行い、外務省と首相府の公文書、チャーチル関連文書、閣議文書及び統合参謀本部文書を中心に収集する予定であった。 しかしながら、平成28年度は、前年度に米国での公文書館等で収集した文書や資料が膨大に上ったことからこれらの情報の整理と解析にほとんどの時間を費やすこととなってしまった。したがって、平成28年度は、英国での現地調査は延期することとし、米国で収集した文書の整理と解析に重点を置くこととし、英国での現地調査の準備を進めることにとどめることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、できるだけ速やかに以上に述べた遅れを取り戻したいと考えている。特に、英国での現地調査はこれを速やかに行い、米国で再度の現地調査を行う必要があると考えている。 特に、英国での現地調査では、1)大同盟の成立に英国が果たした役割、2)米英連合参謀本部(CCS)及び欧州戦線での統合司令組織の成立に英国が果たした役割と貢献、3)アジア太平洋戦線での英国の戦略と政策選考及び米英の軍事協力のあり方につき、英国国立公文書館(United Kingdom National Archives)、大英帝国戦争博物館やケンブリッジ大学チャーチル文書センターでの現地調査を実施することとしたい。 また、これまでの調査および分析のなかで、新たな資料・データの収集を行う必要が生じている。したがって、今年度は米国で再度の現地調査を行い、不足するデータの補充や不十分な文書の補完収集作業を行うこととしたい。
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Causes of Carryover |
既述の通り、本来であれば平成28年度は英国国立公文書館(United Kingdom National Archives)やケンブリッジ大学チャーチル文書センターでアーカイブ調査を行い、外務省と首相府の公文書、チャーチル関連文書、閣議文書及び統合参謀本部文書を中心に収集する予定であった。 しかしながら、平成27年度に米国での公文書館等で収集した文書や資料が膨大に上ったことから、平成28年度はこれらの情報の整理と解析にほとんどの時間を費やすこととなってしまった。したがって、平成28年度は、英国での現地調査は延期することとし、米国で収集した文書の整理と解析に重点を置くこととした。そして、英国での現地調査については、調査の準備を進めることにとどめることとしため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、できるだけ速やかに以上に述べた遅れを取り戻したい。特に、英国での現地調査はこれを速やかに行い、また、米国で再度の現地調査を行う必要があると考えている。 特に、英国での現地調査では、1)大同盟の成立に英国が果たした役割、2)米英連合参謀本部(CCS)及び欧州戦線での統合司令組織の成立に英国が果たした役割と貢献、3)アジア太平洋戦線での英国の戦略と政策選考及び米英の軍事協力のあり方につき、英国国立公文書館(United Kingdom National Archives)、大英帝国戦争博物館やケンブリッジ大学チャーチル文書センターでの現地調査を実施することを予定している。 また、これまでの調査および分析のなかで、新たな資料・データの収集を行う必要が生じている。したがって、今年度は米国で再度の現地調査を行い、不足するデータの補充や不十分な文書の補完収集作業を行うこととする。
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