2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cooperation and its limits among Allied States during the Second World War
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15K03325
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
西田 竜也 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80589028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際関係理論 / 同盟理論 / 米国 / アジア / 太平洋 / 欧州 / 統合司令組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、加盟国間の協力が高度に実現した集団防衛同盟が発展した要因を、第二次世界大戦中の米国、英国、ソ連による大同盟と連合国間の統合司令組織が発展したプロセスに焦点を当てて、究明することを目的としており、特に、集団防衛同盟の成立要因をより深く分析するために、1)第二次世界大戦中に米英を中心として設立された連合参謀本部(Combined Chiefs of Staff: CCS)がどのように設立され、CCSの下連合国の軍隊がどのように統合されたか、2)欧州ではCCSの下で行われた連合国間の協力が統合司令組織の成立にどのように関係し、影響をもたらしたのか、3)さらに太平洋地域での連合国軍の間の協力と統合の実態を明らかにし、どの程度統合司令組織の発展がみられたかを明らかにすることを目的とし、こうした目的は一定程度達成することができた。本年度は特に、夏に米国の国利公文書館において、米国側の資料を数多く収集するこができたこともあり、米国側の立場からCCSがどのように設立され、ワシントンDCでCCSの機構がどのように発展し、英国側との協力がどのように進んでいったかをある程度明らかにすることができた。こうして、集団防衛同盟の成立要件という、従来検討されなかった観点から史実を見直し、問題の解明に取り組んだことで、統合司令組織の成立と発展プロセス、中でも欧州戦線における統合司令組織の発展過程を一定程度分析することができた。その一方で、米英ソ間の協力関係の本質がどのようなものであったか、また、太平洋戦線における米英間の協力がどの程度進んでいたかは、有効な資料を入手することに限界があり、必ずしも十分明らかにすることはできなかった。また、米国側の資料が膨大に上ったこともあり、本年度末に予定していた英国での調査を行うことができなかった。
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