人の越境移動のグローバル・ガヴァナンスについての研究―EUアプローチを起点として

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K03330
• Research Institution: Sophia University
• Principal Investigator: 岡部 みどり 上智大学, 法学部, 教授 (80453603)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 人の国際移動 / EUガバナンス / 安全保障研究

Outline of Annual Research Achievements

昨年（平成29年）度に参加した"Japan-EU security relations"プロジェクト（英国エセックス大学主催）の集大成として、Emil Kirchner, Han Dorussen eds., "EU-Japan Security Cooperation: Trends and Prospects (Routledge Studies in European Security and Strategy)"の１章を共同担当した（The EU-Japan Security Dialogue and Migration: a Search for Common Ground）。また、昨年度のブリュッセル・ジュネーブ出張を基に、Sergio Carrera, et al. eds., "EU External Migration Policies in an Era of Global Mobilities"(Brill/Nijhoff)の１章を担当した(Beyond ‘Europeanisation beyond Europe’ ; the EU-Asia Dialogue on Migration as an Alternative Form of Cooperation )。２つの著書はいずれも今年度に刊行された。このほか、人の国際移動のグローバル・ガバナンスを通時的・共時的に理解するために、法学、歴史学、政治学、経済学、人類学等を含む学際的な研究の試みとして「庇護研究会」を立ち上げ、第１回会合を上智大学にて行った。庇護研究会の活動は、近い将来には難民と移民のグローバル・コンパクトについての議論につなげることを目的としている。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

出張等による情報収集の成果を著書の形で出すことができた。予定されていたチェコ・プラハでの国際学会(Council for European Studies)へは、競争率の高いセレクションを通って参加が可能であったにもかかわらず、直前に発生した家庭の事情で参加が叶わなかった。しかしながら、同じパネルの参加者と共に、Brill/Nijhoffから著書を刊行できたことは幸いであった。これにより、引き続き、研究の今後の進展に際してもネットワークを維持することが可能となった。

Strategy for Future Research Activity

これまでの共同研究を基に、単著の執筆を考えている。昨年度は出張費の支出がなかったこともあり、研究の進展に伴う予算の新たな使途について検討する余裕ができている。
研究目的を達成するために、いま少し自身の報告の機会を増やす必要があると感じている。このため、今年度は、国際政治学会、グローバル・ガバナンス学会、また場合によっては海外で開かれる学会などに参加し、特に分析手法の精緻化や議論の説得力の増強といったことを目的に、研究者間のネットワークを活用したいと考えている。

Causes of Carryover

予定していた海外出張（国際学会への出席）が家庭の都合により叶わなくなったため。
次年度は、主に国内における研究報告及び単著出版のために支出することを予定している。

Research Products

• [Book] EU-Japan Security Cooperation: Trends and Prospects (Routledge Studies in European Security and Strategy) (2018)
  • Author(s): Emil Kirchner, Han Dorussen, Midori Okabe, Jun'ichi Akashi, Harlan Koff, Thomas Diez, Jun Tsubouchi, Hiroyasu Akutsu, Simon Duke, Nicola Casarini, Michito Tsuruoka, Raphael Bossong, Sarah Bothe, Katja Biedenkopf, Hiroshi Ohta, Sebastian Harnisch , Ken Masujima, Daisuke Madokoro, Atsushi Tago, George Christou et al.
  • Total Pages: 246
  • Publisher: Routledge
  • ISBN: 978-1138315808
• [Book] EU External Migration Policies in an Era of Global Mobilities: Intersecting Policy Universes (2018)
  • Author(s): Sergio Carrera, Arie Pieter Leonhard den Hertog, Marion Panizzon, Dora Kostakopoulou, Midori Okabe, Andrew Geddes, Luca Lixi, Mario Savino, Tamas Molnar, Daniella Vitteno, Zvezda Vankoba, Marco Stefan, Flavia Jurje, Tesseltje de Lange, Natasja Reslow, Paula Andrade, Nora El Qhadim
  • Total Pages: 399
  • Publisher: Brill Nijhoff
  • ISBN: 978-90-04-35423-4