2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03351
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
武岡 則男 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (80434695)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 主観的情報構造 / 意思決定理論 / 異時点間選択 / 柔軟性への選好 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、個人の主観的確率を導出したSavageモデルを異時点間モデルに拡張し、主観的情報構造の導出、及び、情報の主観的学習プロセスを分析する意思決定理論的フレームワークの研究を行うことである。本研究は、Pennsylvania大学のD. Dillenberger氏, Duke大学のP. Sadowski氏, Boston大学のJ. Noor氏, Pittsburgh大学のR. Teper氏などの研究協力者とともに行う国際共同研究である。共同研究者とは主に電子メールやSkypeなどを使って意見交換を行うが、ブレインストーミング的にアイデアを話し合うためには、直接会って議論することも必要となる。必要に応じ、研究費を利用して効率よく研究打ち合わせを行う。 平成27年度は、基礎研究として、主観的学習モデルの特殊形としての情報分割モデルの公理化や情報構造の比較分析などをDillenberger氏, Sadowski氏らと行った。また、Teper氏とともに、消費を通じて自分自身の選好を学習するというタイプの主観的情報構造モデルについて、異時点間選択の枠組みで公理的研究を行った。また、Noor氏とともに、主観的なメンタルキャパシティーを考慮しつつ、自分自身の時間選好率について学習するようなタイプの主観的情報構造モデルの公理的研究を行った。 平成27年度10月にSadowski氏からの招待によりDuke大学で開催された意思決定理論のworkshopに参加・研究発表を行った。その際、ともに参加したDillenberger氏, Teper氏らとともに研究打ち合わせを行った。また、11月にはNoor氏を1週間日本に招聘し、集中的に共同研究に取り組んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
27年度に計画していた基礎研究については、すべて実施できた。研究が順調に進捗したため、28年度以降に行う予定だった共同研究者の招聘などを前倒しして27年度に実施した。また、28年度以降に実施予定だった主観的学習の時間的進展モデルについても今年度に前倒した。このプロジェクトの成果をまとめた論文を作成し、国際的査読誌に投稿できる状況まで到達することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に基づいて着実に研究を実施していく。特に時間的進展モデルについては、国際的査読誌に確実に採択されるよう研究を継続する。また、実施計画にあるとおり、28年度に共同研究者らを日本に招聘して、意思決定理論の国際ワークショップを開催し、研究成果をアピールするとともに、国内外の研究ネットワークの形成を推進する。
|
Causes of Carryover |
研究が順調に進捗したため、28年度以降に実施予定だった共同研究者の招聘を27年度に実施するため、27年度予算に不足が生じる可能性があった。そのため、10万円の前倒し支払い請求を行った。しかし、28年度から大学の所属が変更になり、多忙のため年度末に計画していた出張等が実施できなくなった。結果的に、前倒し請求分を含め、一部予算を28年度に繰り越すこととなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画に基づいて、研究費を執行する。海外出張および、国際ワークショップの開催のための研究者招聘などを予定している。
|