2015 Fiscal Year Research-status Report
所得不平等, 出生と経済発展に関する考察:途上国と先進国において
Project/Area Number |
15K03359
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 英樹 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00272097)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Gender gap in wages / Female education / Burden of child-rearing / Child labor / Child mortality rate |
Outline of Annual Research Achievements |
途上国の出生において、Gender Inequalityは大きな影響を与えている。よって、gender inequalityがどのように出生、教育、そして、経済発展を阻害するかを理論モデルと実証分析によって考察する。途上国を捉えるため、子供の高い死亡率、つまり、生存する子供の数に関する不確実性と児童労働を考慮する。gender inequalityは、賃金格差と子育て負担格差により捉える。これらのもとで、gender inequality, 出生、教育、そして、経済発展を包括的に分析する研究は、これが初めてであると思われる。 経済発展を、男女とも教育を受けてない段階、男性が先に教育を受ける段階、女性も教育を受けれる段階と3段階によって捉える。これら3段階は、賃金格差により内生的に出てくる。分析により、賃金格差、そして、子育て負担格差いずれのgender inequalityも発展を阻害することが示せた。さらに、父親の賃金が高いことと子育て負担が低いことは、より発展を阻害することも有り得ることも示した。 加えて、世銀データとBarro and Leeの教育データを用いたパネル分析によって、男女の教育格差の経済発展への影響を調べた。推定結果により、教育格差の解消は、出生率を下げ、男女とも教育をさらに促し、結果、経済発展を促すことが分かった。この研究は、"Gender Gaps and Economic Development"というタイトルでDPにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度中に初稿をDPにした。そして、海外大学におけるシンポジウムにおいて発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2015年度に書いた"Gender Gaps and Economic Development"は、2016年度中に改訂を行い、海外ジャーナルに投稿予定である。 そして、日本の所得格差を考慮し、出生を議論する新しい研究にも着手する。具体的には、所得や雇用への不安を考慮して出生を分析し、政策的インプリケーションを考える。
|
Causes of Carryover |
自身の研究打合せや他大学セミナーへの出張は十分行った。他大学から研究者を招聘してのセミナーも一度行った。よって、残高はわずかである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年に引き続き、自身の研究打合せと他大学セミナーのために使用する。今年度は、さらに他大学からの研究者招聘に力を入れたい。
|
Research Products
(2 results)