2015 Fiscal Year Research-status Report
イスラム・バンクレント理論構築とムラバハ症候群の制度的解釈
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15K03374
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
鈴木 泰 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (00350752)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バンクレント / 金融セクターレント / イスラムマイクロ金融 / イスラムベンチャーキャピタル / シャリア / レントシーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年に発表した「イスラム・バンクレント」の概念(一般商業銀行が捕捉する収益に加え、イスラム銀行が直面する特有のリスクを吸収するために求められる追加の収益機会)をレビューするとともに、インドネシア、マレーシアにおけるイスラム銀行の収益構造について、データ収集および分析を開始した。当該年度は、加えて、イスラム・マイクロ金融、イスラム・ベンチャーキャピタルの抱える構造的問題とその課題について、イスラム・バンクレント理論の枠組みから考察し、論文を発表した。 更に、「経済の金融化」「グローバル金融市場の脆弱化」について、イスラム金融の観点から、その問題と課題を整理し、学会で発表するとともに、論文を発表した。レント追求行動理論から、正義(Justice)追求行動について分析する政治経済学視点から展開した論文も別途発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアおよびマレーシアにおけるイスラム銀行と一般商業銀行との収益構造を分析するためのデータは概ね揃いつつあり、データ分析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシア・マレーシアにおける、各イスラム銀行の資産負債状況、収益構造、シャリア遵守監視委員会の役割や国際基準への標準化など、現地関係者のヒアリングを本格化させる計画となっている。特に、2016年度後半に予定している研究専念サバティカル期間を利用し、シンガポールを拠点にデータ収集・分析を本格化させる計画となっている。
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Causes of Carryover |
インドネシアおよびマレーシアにおけるデータ収集作業の一部を当該年度ではなく、2016年度に繰り越したため、当該年度の執行は抑えられたものとなっている。加えて、サウジアラビアで予定されていたイスラム金融学会の参加を計画していたが、参加を見合わせたことも理由としては挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は、現地調査を本格化させる計画としている。特に、2016年度後半は、研究専念サバティカル期間を利用し、シンガポールを拠点に、研究を進める計画となっている。
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Research Products
(7 results)