2015 Fiscal Year Research-status Report
インドの小地域住民全数データを参照基準とした途上国自治体統計制度改革の研究
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15K03393
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡部 純一 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (70204013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 治平 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40204557)
坂田 大輔 立教大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70734359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統計制度 / インド |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 2016年2月にインドの出版社Tulika Booksから、全382頁の専門書: A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databasesを、インド国民向けに出版した。この著書は、岡部純一(研究代表者)が、2015年4月に単著としてCESSA Working Paper <http://www.econ.ynu.ac.jp/cessa/publication/workingpaper.html>に公表したA Note on New Statistical Domain in Rural India: An Enquiry into Gram Panchayat-level Databases, (1)~(5)(全286頁)をもとに、共著者でかつ本プロジェクト海外共同研究者であるAparajita Bakshi (Tata Institute of Social Sciences, Mumbai)およびFoundation for Agrarian Studiesと共同で改訂を重ね、資料を追加したものである。 2. この著書は基盤研究(C)(一般), (平成24-26年度)の成果でもあるが、改訂の過程で、新たな研究の発展可能性が見えてきた。2月29日にムンバイで開催された出版記念セレモニーには100名以上の参加者があり議論が交わされた<http://fas.org.in/event/book-release-a-new-statistical-domain/>。ブログでの議論もはじまっている<http://fas.org.in/blog/>。 3. インド以外の途上国の地方自治体統計制度に関する資料サーベイを開始した。 4. 2015年12月にジャールカンドの農村調査をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インド国民向け専門書: A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books (全382頁), 2016年2月刊行の出版時期は、当初2015年年度はじめと見込んでいたが、インド側の出版事情から1年近く遅延した。しかし、その一方で、出版準備の過程で、周到な改訂作業が行われ、当初、増補改訂版の可能性を模索していたが、増補部分の多くを草稿の修正という形で盛り込むことができた。それゆえ、出版の遅延にもかかわらず研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
出版準備と改訂の過程で見えてきた、新たな研究の発展可能性とは、A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Booksで提案したボトムアップ型の地方統計改革の対極をなす、トップダウン型の統計改革の可能性についてもう少し詳しく研究し、それを批判することである。そのためには、今日のインドにおけるSocio Economic and Caste Censusや国民人口登録(National Population Register)の利用状況や、それらの統計データと標本推計との組み合わせ利用について研究する必要がある。トップダウン型の統計改革は、現状では、インドのみならず途上国で広く追及されているため、それを批判的に研究することは意義あることと言える。
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Causes of Carryover |
インド国民向け専門書: A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books, 2016年2月刊行の出版時期は、当初2015年年度はじめと見込んでいたが、インド側の出版事情から1年近く遅延し、当該年度末にずれ込んだことになる。この著書の出版に対する反響を前提に、進めるべき研究は次年度繰越とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books, 2016年2月出版に対するインド内外の反響を前提に、進めるべき研究は次年度繰越とし、経費支出も次年度繰越とする。
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Research Products
(12 results)