2017 Fiscal Year Annual Research Report
Statistical Sequential Analysis via Stochastic Calculus and It's Application
Project/Area Number |
15K03395
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
永井 圭二 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50311866)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統計的逐次解析 / 時系列過程 / 汎関数中心極限定理 / 停止時刻 / Fisher情報量 / 単位根検定 / 局所漸近正規 / Bessel過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究により,時系列の統計的逐次解析の解析手法として,D[0,∞)上の汎関数中心極限定理が極めて有効であることが示され,停止時刻と逐次統計量の漸近的性質が明らかにされた.これにより,時系列の統計的逐次解析が現実の問題に適用可能になった. 第1に,定常なAR(p)モデルについて,観測されるFisher情報量を用いた停止時刻を定義し,統計的逐次推定を行うことを考えた.ここで停止時刻の漸近正規性を示した点が最も重要な結果である.従来の研究において停止時刻に関しては一致性の結果を得ていただけであったことを考えると応用上有効な大きな飛躍だといえる.また,誤差分散が既知である場合と未知である場合のそれぞれについて,停止時刻は異なる正規分布に収束することも同時に示された.一般に,誤差分散が未知既知は,推測にかかわる漸近理論には無関係である.それをを考えるとこの結果は興味深い.また,自己回帰係数と誤差分散の逐次推定量の漸近正規性も得られた. 第2に,非定常なAR(p)モデルについて,単位根帰無仮説とと局所単位根対立仮説の統計的逐次検定を考えた.単位根パラメータに対するFisher情報量を使った停止時刻を用い,単位根が真のときの停止時刻が漸近的にBessel過程であらわされることを求め,その漸近分布の解析表現を求めた.さらに,局所単位根仮説が真のとき停止時刻がドリフト付きBessel過程であらわされることを求めた.そしてこの検定問題がLAN(Local Asymptotic Normality; 局所漸近正規)となることを求めた.また検定方法について帰無仮説が真のときの停止時の分布を用いる方法を提案した. 第3に,d次の和分AR過程について,次数dの逐次探索の手法を提案し,理論を構築した.とくに逐次データd=0,1,2のうちどれが正しいか探索する方法を提唱した.
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