2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03396
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
末石 直也 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (40596251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安道 知寛 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (40407135) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高次元データ / 罰則付き推定 / 経験尤度 / 情報量規準 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、モーメント制約モデルに候補となる変数が数多く含まれている場合に、変数選択を行う方法について考察した。罰則付き経験尤度推定量の漸近的性質を考察するとともに、罰則の度合いを決めるチューニングパラメータの選択方法を提案した。具体的な成果は以下のとおりである。 まず、罰則付き経験尤度推定量の漸近的性質については、Leng and Tang (2012) などの既存研究にいくつかの問題点があることが明らかになった。そこで、その問題点を解決するとともに、これまでに示されていた推定量の収束レートよりも早いレートで推定量が真のパラメータへと確率収束することが可能であることを証明した。この成果は、Ando and Sueishi (2017) としてまとめ、海外査読誌に投稿中である。 次に、チューニングパラメータを選択するための情報量規準を導出した。これは昨年度までに既に大枠ができていたものあるが、情報量規準の導出ための条件をより簡素化するなど、内容をより洗練させた。この成果は、Ando and Sueishi (2018) としてまとめ、海外査読誌に投稿中である。 また、本研究の派生的な研究として、線形回帰モデルと一般化線形モデルの罰則付き最尤推定量のためのチューニングパラメータの選択規準を導出した。この選択規準は、MallowsのCpの一般化線形モデルへの拡張となっている。さらに、提案手法はカルバックライブラー損失の意味で、漸近的に損失効率的であることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、罰則付き経験尤度推定量ための情報量規準が漸近的に損失効率的であることを示す予定でいたが、現在までには成果が得られておらず、進行中である。しかし、その点を除けば、当初計画は達成された。 一方、罰則付き最尤推定量に関する結果については、当初計画にはなかったものであり、想定以上の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
罰則付き経験尤度推定量のための情報量規準が漸近的に損失効率的であるかどうかは、引き続き検討していく。ただし、一般的なモデルのもとで示すことは困難であり、モデルのクラスを限定したもとで検討を行う。 また、罰則付き最尤推定量のチューニングパラメータの選択方法に関して、さらなる研究を進めていく。シミュレーションを充実させるとともに、実データへの応用も拡充させる。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画は概ね達成されたが、論文投稿までには至っていない研究があるため、学会参加費、英文校正費等に充てたいと考えている。
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