2016 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ解析を利用したボラティリティの推定に関する研究
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15K03406
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
森本 孝之 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (80402543)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | ビッグデータ / オンラインニュース / 動的トピックモデル / トピックスコア / 予測 / 実現ボラティリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究用データの整備 (1) 日経 NEEDS から購入した DVD データを1分間隔データに加工した上で,実現ボラティリティ (Realized Volatility, RV) を計算した.(2) 分析に使用するデータとして,株価指数TOPIXを用いた.標本データ期間は 2008 年 1 月から 2012 年 12 月までであり,計 1223 日分の日次 RV を用いた.標本データ期間は 2008 年 1 月から 2012 年 12 月までであり,計 1223 日分の日次 RV を用いた.(3) 情報の供給についてのプロキシとして,オンライン上におけるニュース記事を用いるが,本研究ではとりわけ経済ニュースに強いロイタージャパン (http://jp.reuters.com/) のテキストデータを利用した.(4) 取得したオンラインニュース記事を mecab により形態素解析を行い,品詞ごとのデータに変換した. 2. モデルの定式化 (1) オンライン上におけるニュース記事のデータに対しては,文書の確率的生成モデルの一つである動的トピックモデル (Dynamic topic model) を用いた.(2) 実現ボラティリティの自己回帰モデルに トピックスコア を含めることにより,ボラティリティ予測のパフォーマンスを改善することを本研究の目的としている.そこで,ボラティティとトピックスコアのラグ値を説明変数に持つ AR, HAR といった基本的なモデルに加え,Bollerslev et al. (2016) による ARQ, HARQ モデルについても実装し,各モデルのボラティリティの予測力を MSE および QLIKE という 2 つの誤差関数を用い比較した. 3. 得られた結果 すべてのモデルにおいてトピックスコアを含めた方がボラティリティ予測のパフォーマンスを改善することを示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を論文「Forecasting financial market volatility using a dynamic topic model」(著者: Takayuki MORIMOTO and Yoshinori KAWASAKI) に纏め国際学術誌に投稿改訂中の段階 (2017 年 4 月 26 日現在) である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,日本の金融市場における経済政策の不確実性と金融市場のボラティリティとの関係を調べることに重点を置く.経済政策の不確実性に関しては,新聞記事に基づくトピックスコアおよび Baker et al. (2016) による経済政策不確実性指数を代理変数として用いる.これらの代理変数と実現ボラティリティを Ghysels et al. (2002, 2005, 2006) による混合データサンプリングに組み入れることにより分析を進める.
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Causes of Carryover |
年度末の 3 月 20 日から 3 月 26 日に国際学会での研究報告のためインドネシアに出張した.その際の旅費が当初予定していた予算より少ない額となったため,若干の次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も国際学会での研究報告を予定しているため,その際の旅費の一部として利用することを計画している.
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