2015 Fiscal Year Research-status Report
非営利組織と社会的ネットワークの機能連関と政策:関係財理論の経済社会学的展開
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15K03430
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 純 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40283858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮垣 元 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (40340905)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非営利組織 / 社会的ネットワーク / ヒューマン・サービス / 関係財 |
Outline of Annual Research Achievements |
人々の経済行動と彼らが有する社会関係のあり方との機能上の結びつきに関する理論形成を通じて、非営利組織の活動とさまざまなレベルの社会的ネットワークとの相互作用を明らかにすることを目的として研究を進めた。本研究では、これまでの一般的な経済分析において注目されることの少なかった、社会関係と経済的意思決定との関連について、経済学における「関係財」の理論展開と、社会学における社会ネットワーク理論の蓄積を両輪として、そのメカニズムを理論的・実証的に解明する諸研究を行った。 研究初年度である今年度は、非営利組織の経済学的分析および関係財理論と、非営利組織の社会学的分析およびヒューマンサービス理論・社会ネットワーク理論について、その問題設定方法や分析手法などを突合・精査し、本研究目的への適用の過程において両者を接続できるよう、それぞれの理論を整備することから始めた。 本研究が現実の分析対象として主に想定するのは、福祉サービス等に代表される対人社会サービス(ヒューマンサービス)供給の領域であり、この領域におけるサービス特性と、それらを供給する(主に)非営利組織の特性が、関連する諸主体が組織内外に有する社会関係とどのような相互作用を持ちうるのかが研究の焦点となった。研究代表者と分担者は、それぞれのアプローチによる研究を独自に進めながら、意見交換の機会を持ち、相互の視点や手法の相違と一致について理解を深めながら理論構築を試行した。 また、次年度以降に計画している実態調査研究に向けて、調査手法や調査項目に関する議論を重ね、関連する分野の研究者、およびサービス供給の現場に携わる実務者を含めて、調査研究チームの構成を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と分担者は、それぞれ経済学と社会学の分野において研究を進展させるとともに、相互の意見交換によって、理論的な面における検討課題が明確になりつつある。また、次年度に予定されている調査実施に向けた準備・実施体制の構築に着手し、具体的な調査方法や調査内容についての課題について議論している。
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Strategy for Future Research Activity |
引きつづき、理論面での検討を深化させるとともに、調査研究の実施準備を進め、今年度後半には、第一次の調査を実施する予定である。このため、定期的に研究打合せを行い、調査実施体制の確立を進める。
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Causes of Carryover |
調査の準備の一部が次年度に行われることになり、今年度支出が予想を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度より継続して進めている調査の準備・実施に使用する。
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Research Products
(4 results)