2015 Fiscal Year Research-status Report
階層的な高等教育システムにおける最適政策の理論研究。
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15K03436
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡村 誠 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30177084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
友田 康信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30437280)
新海 哲哉 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40206313)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | higher education system / education policy / private school / mixed oligopoly |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、研究代表者の岡村が年度後半に体調を崩したため、当初予定した研究計画が一部実行できなかった。第一に、高等教育システムの理論モデル作成のために、高等教育、特に、大学システムについての問題整理とその特徴について研究グループ間で議論を行った。大学教育システムについては、オーストラリアやイギリスなどの国を除き、日本、アメリカは公立大学と私立大学が高等教育市場でともに大きな位置を占めている。そこで、まず最初に、この2つの組織の違いを明確に取り入れたモデルを作成した。私立大学は、その目的として自己の利潤に代表される自己利益が目的になっている。これに対して、公立大学は、自己の利益だけではなく、大学教育が生み出す社会的利益をも目的として行動している。大学教育市場では、この2の異なった目的をもつ大学が競争している。この状態を混合寡占として捉えてモデルを作成した。それに基づいて高等教育政策の1つとして公立大学の民営化の問題を取り上げた。民営化の程度とその時の社会的利益の関係を検討し、この利益を最大にする状態を求めた。大学が、総て私立大学あるいは公立大学になる状態ではなく公立大学を一部私立大学に転換する部分的民営化が望ましい状態であることを示した。さらに、公立大学の社会的利益にかんする重要性が変化した時に、最適部分民営化の程度がどのように変化するかを明らかにした。この研究の一部は、松村敏弘氏との共同論文として、ドイツから発行されている査読付き国際学術誌である、Journal of Economicsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この分野の基本的研究のsurveyを時間を取って行ったため、具体的な成果としては、Journal of economics に掲載された論文のみであったが、たの論文についても作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
混合寡占モデルに基づいて高等教育システムにおける最適政策の理論研究に関する論文を作成予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表を平成28年度に延期したため。岡村の体調のため、研究打ち合わせが予定道理執行出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に出来なかった、研究打ち合わせを行う。特に大学の生産関数の計測と私立大学の教育システムにかんすることについて打ち合わせを行う予定である。さらに、高等教育と人的資本の水準にかんする研究打ち合わせも行う。また、昨年に続いて各国間の高等教育とその政策についての、基本的文献を購入する。
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