2018 Fiscal Year Annual Research Report
Violence, cheating, competition and economic development: Political economy analysis and empirical studies in India
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15K03452
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 篤史 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (00286923)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政治資源 / 暴力 / 価値移転 / 公共政策 / 経済発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人々の間で価値の移転が起きる際の様式の違いが、人々が価値創造的な行為を選択するインセンティブの差異を通じて、経済パフォーマンスに異なる影響をもたらすことを明らかにすることである。 資源の分布の不平等によってさまざまな社会経済集団の間で政治的影響力が異なり、その結果人々が暴力や詐取などによる非自発的な価値移転を強いられる程度が社会集団間で異なることが既存研究の成果から予測される。昨年度までは、例えば、所得の不平等分配が政治的影響力の差異を通して、政策上の資源分配に与える効果や、暴力が経済パフォーマンスに与える効果などを明らかにしてきた。 2018年度においては、新たにインド州議会における有権者の投票行動に関するデータベースから構築した州政府の政権与党の支持者の職業別分布のデータを用いて、政権与党の支持者の職業の変数が経済資源の移転に与える効果について検証を行った。現在も実証分析を継続しているが、1つの興味深い実証研究結果として、州政府の与党が前回の選挙で全得票数の中で農村の地主層の票を得ている割合が大きいと、農村向けの電力補助金や電力のT&Dロス比率が高まるという暫定的な推計結果を得ている。この結果は、農村特有の構造が諸社会経済集団間の政治資源の分布に影響を与え、それがさらに社会における価値の移転に影響を及ぼし、最終的に経済パフォーマンスにインパクトをもたらすことを示している。
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Research Products
(3 results)