2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03470
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| Research Institution | Meiji University |
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Principal Investigator |
浅井 澄子 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00329476)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 再販売価格維持制度 / 書籍需要の価格弾力性 / 公共図書館 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き、書籍の価格拘束の制度とその評価を行い、その成果を「日本と英国の書籍の流通システム」と題した論文にとりまとめ、雑誌『経営問題』で公表した。
また、これも昨年度に引き続き、文芸書の需要関数の推定を通じて、価格拘束の適否を考察した。その結果は、査読付き学術雑誌『InfoCom REVIEW』に投稿し、「単行本の文芸書の需要と価格の決定要因」と題した論文として、その第67号に掲載された。ここでは単行本の文芸書の需要の価格弾力性は、すべてのタイトルで弾力的であり、欧米でとられる価格割引は合理的であること、日本では書籍価格は主に費用要因から設定され、想定された需要が価格水準に与える影響は小さいことも示された。文庫本の需要分析については、Determinants of demand and price for best-selling novels in paperback in Japanと題した論文が、2016年11月発行のJournal of Cultural Economicsに掲載となった。
さらに、書籍市場に与える外部プレイヤーの影響として、本年度は公共図書館の貸出を取り上げた。最近では書籍の販売部数の減少の要因の一つが公共図書館の貸出にあるとして、貸出に一定の猶予期間を設ける要望が出版社から出されている。この適否を考察するため、販売部数、公共図書館の購入冊数と貸出冊数を３変数としてインパルス反応関数分析を行った。その結果、公共図書館の貸出は販売部数に大きな影響を与えていないことが示された。この結果は、「公共図書館の貸出と販売との関係」と題した論文にとりまとめ、『InfoCom REVIEW』第68号で公表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外の学術雑誌を含め、３件の査読付き雑誌論文、査読なしの論文１件が2016年度中に掲載となった。計画以上の成果をあげたものと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
大きく分けて３点の推進を予定している。１点目は、書籍の販売部数と消費者の選択の幅を規定する新刊点数の発行についての実証分析である。これは新刊書と既刊書の販売部数と新刊点数をインパルス反応関数で分析することで、新刊書と既刊書の販売部数ならびに新刊点数の関係を明らかにすることを目的とする。本年度中に論文として取りまとめ、発表する予定である。
２点目は、電子書籍の紙媒体の書籍への影響についてである。電子書籍市場は発展途上にあるため、数年前と現在では、配信形態や紙媒体の書籍に与える影響は変化していることが想定される。現時点の影響を把握し、数年前のものと比較を行う。
３点目は、これまでの研究成果のとりまとめであり、次年度の書籍発行を目指し、原稿を整えていくことである。
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| Causes of Carryover |
研究に必要で昨年度末に発行となった白書や洋書の購入を予定していたが、年度末に購入手続きが終わる見込みがたたなかったことと、残額では予算が不足することから、2017年度の支払いに回すこととした。このため、残額15,754円となった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
４月に洋書及び和書を購入し、既に研究に使用している。
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