2018 Fiscal Year Annual Research Report
Economic Analysis on Book Distribution System in Japan
Project/Area Number |
15K03470
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
浅井 澄子 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00329476)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 書籍市場 / 専門書 / 電子書籍 / 再販売価格維持制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究としては、学術情報がどのように流通しているのかを定量的に把握するため、Web of Science, Scopus, Microsoft Academic,Google Scholarの4つの学術情報データベースを使用して、経済学関係の論文(英語・日本語)、経済学関係の書籍(英語・日本語)の収録状況を調査した。この結果は、「学術情報データベースの収録範囲:比較分析」と題した論文としてとりまとめ、『経営問題』に収録された。 また、日本と米国で発行される書籍ならびに電子書籍に関して、価格水準、価格の割引状況、同じタイトルで発行される単行本・ハードカバーと文庫本・ペーパーバックのファーマット間のタイムラグや価格差について、日米比較を行った。その結果、米国のAmazonからは、予約時点から価格の割引が行われ、フィクション、ビジネス書などの書籍、専門書では、割引率とそのタイミングに相違があること、フィクションの価格に対する専門書価格の比率で日米を比較すると、米国では日本よりも専門書に対し割高な価格が設定され、価格が費用だけではなく、需要側の要因も考慮の上、設定されていることが示唆された。これらの結果は、「書籍価格の日米比較」と題し、『経営問題』に掲載となった。 さらに、平成30年度は研究の最終年度にあたる。これまでの研究成果をとりまとめ、書籍として刊行するため、KDDI財団に出版助成の申請を行った。申請は受諾され、現在、日本評論社から『書籍市場の経済分析』と題した書籍を刊行するため、作業中である。既に再校を終えており、7月末に刊行予定である。
|