2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03472
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大村 真樹子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (80397835)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済発展 / 食と健康 / 所得格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グローバリゼーションの進む現代社会において、経済発展と食の欧米化・工業化の関連性、そして食の変化が人々の健康にもたらす影響を検証する。主にマクロデータを用いて、先進国・発展途上国の数か国を対象に、《経済発展 → 生活様式の変容 → 食の近代化 → 健康への影響》といった一連の関連性を計量分析し、食文化の質的側面からも検証を加える。昨年度同様、先行研究のレビューを継続しつつ、同時に各地の経済・食・健康・食関連教育及び情報に関する調査及び、分析に必要な既存データ収集を行った。現地の食料品事情に関する実地調査を日本、タイ、フランス、イギリス、スペイン、ドイツで実施した。健康に良いとされる食べ物はいわゆるジャンクフードや出来合いの食べ物などより高額であるというのが一般的見解であったが、最近異なる研究結果も出ており、実際に食文化の異なる国々で一般的に利用される店舗や市場における食料品の中に占めるいわゆる「健康的」食べ物の占める割合や、食料品の多様性を現地調査した。これらの調査とデータをもとに、人々が購入する食べ物を分類し、それらと慢性疾患割合・所得階層との関連性の分析を実施している。所得下位層は安価で栄養価の低いジャンクフードを購入する傾向があると言われるが、実際には、生鮮食品でも安価に手に入るものも多くあり、加工食品の方が常に安価ではない。それにもかかわらずそうした食品がより購入される傾向が見受けられ、その要因と健康との関連性の解明を引き続き行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査を実施し、分析に必要な情報を収集した。ただし、情報やデータ、及び対象既存研究レビューが多分野に及ぶため、情報の精査とデータ収集・分析に時間がかかっており、現在も継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
既存研究レビュー及び、情報の精査とデータ収集・分析を継続し、特にデータの精査や既存研究との相違を見極めながら、学会・セミナー報告等で研究成果を発表していく。同時に、論文も書き進めていく。
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Causes of Carryover |
初年度に健康上の理由から計画通りに現地調査を実施することができず、また、使用データに関する見極めに熟慮が必要であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画に遅れが出ていた分を取り戻せるよう、調整を図る。
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