2017 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study on the potential competitivenes of the Japanese firms in Central Asia
Project/Area Number |
15K03483
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海外直接投資 / 中央アジア / スピルオーバー / 日系企業の国際競争力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、中央アジア地域における日系企業製造業の潜在的な国際競争力と地域企業の経済活動に及ぼす効果を実証的に検討することにあった。特に、アセアン、南アジア諸国、東欧諸国での事業活動環境と比較をしながら、次の3つの課題を明らかにすることを目的とした。(1)中央アジア地域における外資系企業の事業活動は、アジア・東欧諸国と比較した特徴は何か。(2)日本企業の中央アジアでの潜在的優位性は何か。(3)日本企業の当該地域での事業活動展開が地域企業に及ぼす影響は何か。 本研究では、日系企業の競争力について世界銀行が公表する中央アジア各国の企業別サーベイデータと各国政府公表資料を利用して、5つの研究過程(Ⅰ) 計量モデル作成のためのデータ分析、(Ⅱ) 中央アジア諸国のデータ作成と分析、(Ⅲ) 計量モデルの構築と推定、(Ⅳ)中央アジア地域における日系企業の潜在競争力の検討、(Ⅴ)日系企業活動のスピルオーバー効果に基づき、各年度の研究を遂行した。 3ヵ年の研究成果は、2017年10月の環太平洋産業連関分析学会における会長講演の報告"Japanese FDI Spillover Effects in Asia"に集約される。そこでは、中央アジア各国の企業データと利用可能な産業連関表を用いて直接投資のスピルオーバー効果を検討している。 旧社会主義国が市場経済に移行する過程においては、公的企業の存在が依然として強い中で、経済発展の中心となる中小企業の役割が大きくなる。今後の研究方向を踏まえ、中央ヨーロッパ・中央アジア諸国における中小企業の役割、アジア諸国における経済発展段階での繊維産業の役割などの分析を後期課程院生との共同研究として進め、研究成果を学会報告、論文などにまとめた。
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Research Products
(8 results)