2015 Fiscal Year Research-status Report
アフリカにおける製造業の停滞:労働コストからのアプローチ
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15K03498
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
福西 隆弘 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターアフリカ研究グループ, 研究グループ長 (80450526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 産業構造変化 / 労働移動 / 都市と農村 / 労働コスト / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる2015年度は、アフリカにおける産業構造変化に関する最近の文献をレビューと、縫製産業の専門家への聞き取り調査を行った。 近年、アフリカにおいて農村から都市への労働移動が不活発であることがいくつかの文献で指摘されており、それが産業構造の変化が緩慢であることと関連しているという議論が展開されている。本研究課題では、都市と農村間の労働コストの差が産業発展に影響していると考えているが、上記の議論は、都市・農村間の労働移動が不十分であることがコスト差の原因であることを示唆しており、本研究課題の作業仮説を支持し、さらに仮説が成立する要因をも示すものである。アフリカにおける労働移動に関する実証研究は、データの不足などから十分に行われていなかったが、最近において顕著な進歩があったことが把握できた。文献レビューの結果を踏まえて、労働コストと産業構造だけでなく、都市・農村間の労働移動についても研究対象とすることを検討したい。なお、文献レビューの結果を整理し、論文および一般向け記事としてそれぞれ雑誌に寄稿した。 また、縫製技術の指導者に聞き取り調査を行い、立地国のビジネス環境と製品の品質の関係について情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
労働移動についての実証研究が進んでいることは予想外であり、文献レビューと論文の執筆に想定以上の時間を使った。そのため、ケーススタディを実施することができなかった。しかし、本研究課題の方向性が最新の研究動向と整合的であることが確認できたことは有意義であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年はケーススタディの実施と、データの収集を同時に進めて、実証分析のための準備を進める。2017年度は、それらを利用して分析作業を行う。
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Causes of Carryover |
アジアへの現地調査およびデータ収集作業を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に現地調査およびデータ収集作業を実施する。
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Research Products
(1 results)