2017 Fiscal Year Research-status Report
人口減少社会での、大規模移民受け入れと企業のオフショアリングの総合的分析
Project/Area Number |
15K03501
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内藤 久裕 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00335390)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移民 / 移民受け入れ / 社会保障 / 持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化化による人口減少社会では、様々な社会的経済的問題が起こることが予想される。最も大きな問題と考えられているのは、社会保障の持続可能性である。また経済のグローバル化によって多くの企業が国境を越えて生産活動を行っているなかで、人口が減少 してゆく経済では企業が海外に生産活動拠点および研究開発拠点を移すのではないかとの問題も指摘されている。本研究では、少子高齢化化による人口減少社会で、大規模移民受け入れの経済社会への影響の分析と大規模移民受け入れの分析を総合的に行う。
前年度に行ったアメリカにおける移民受け入れと経済的弱者の社会保障受給を分析した実証分析に関して、論文の識別戦略が弱いという問題がレフリーから指摘されたため、より長い40年分のデータを使うことでこれを解決した。シミュレーションに関して、レフリーからの指摘で、十分に現実を取り入れていない部分があったのでそれを修正した。また近年、移民受け入れが欧州、米国で政治的に大きな問題となっている。そのため、平成29年度の研究では、英国におけるBrexit国民投票が、移民の存在によってどのような影響を受けたのか研究を行った。論文としては、以下の学術雑誌に論文が掲載された。論文に関してはFinanzArchiv / Public Finance Analysis,Journal of Japanese and International Economics, Japanese Economic review, International Review of Applied Economics (すべて査読付き)に4本論文を出版した。また紀要に、移民受け入れとBrexitの論文を含む3本を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究遂行上必要な厚生労働省、経済産業省の業務統計の入手を企画していたが、諸般の事情によりデータの入手ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に入手できなかったデータについて、再度、厚生労働省、経済産業省に統計法にもとづきデータ申請を行い、データを入手し、必要な分析をすすめる。また得られた成果のアウトプットを行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、平成29年度が最終年度だが、研究期間を1年延長したので、平成30年度に実施する研究費が必要となり、支出をすこし抑えることえあえて未使用額を作った。この未使用額は、先述したデータ入手に係る費用や、学術誌への論文投稿代にあてる予定である。
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