2016 Fiscal Year Research-status Report
数値解析的一般均衡分析での少子高齢化社会に於ける女性労働・失業と税・社会保障研究
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15K03525
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| Research Institution | International University of Japan |
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Principal Investigator |
加藤 竜太 国際大学, 国際関係学研究科, 教授(移行) (60242971)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 女性労働 / 正規と非正規労働 / 育児 / 介護 / 介護保険 / 人口高齢化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
男性、女性ともに正規労働者、非正規労働者の違いを明示的に考慮し、我が国の将来の人口高齢化を全税として、公的年金に加え介護保険制度も導入したモデルにおいて将来の負担が異なった世代間でどのようになるかについて分析を行った。そこでは2012年に行われた社会保障人口問題研究所の将来推計人口に基づいた現実的なシミュレーションを行った。
そこで得られた結露運は以下の通りである。まず、公的年金への影響では、2018年から保険料率を18.3％に維持するという現実的な想定の下、年金額の所得代替率への影響を分析した。厚生労働省の見解では高齢化が進んだ中でもこの所得代替率は50％を下回らないとの試算であるが、このシミュレーションではすでに2039年からこの所得代替率が50％を切る結果となった。この結果は2115年までに現在まで積み増してきた年金基金を全て取り崩しても避けることが出来ないことが大きな特徴である。介護保険制度においては、第1号、2号被保険者に分けた上で、人口高齢化の影響を分析した。65歳以上が対象となる第一号被保険者においては、2010年に於ける負担額と比較して2060年にはその負担額が2倍を超える結果となった。また、第2号被保険者においては同年の比較において5倍以上の負担増となることが示された。この場合、現実を反映して第1号、2号被保険者の相対的負担額を3年おきに調整しての結果である。
一方、男性、女性労働において正規、非正規を明示的に分けた場合の、時間的、金銭的な育児費用と介護費用を考慮した場合、その影響は極めて複雑であることがシミュレーション分析でわかった。細かな結論はここでは割愛するが、特に重要な点は以下である。すなわち、介護の時間的費用が低減した場合、多くの世代では厚生が上昇する一方、育児の時間的費用が低下した場合、一部の老齢世代を除いて逆に厚生水準は低下する。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
失業を取り入れた分析までには至っていない。一方、女性労働を明示的に取り入れたモデルはかなり精緻化されてきた。多くの先行研究が近年公表されていることを発見し、それらの文献を精読することに思いの外時間をとられた。今後はこれらの先行研究の発展を組み入れた上で既に構築しているモデルをさらに発展させたい。夏までにはこの作業は終了予定でその後は予定通り失業を取り入れたモデルに拡張の予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今までのモデルをさらに研究の最先端で行われている発展を前提として改訂予定である。将来推計人口も最新版（2017年推計）が公表されたので、この最新の将来推計に基づいて計算を行う予定である。夏以降には失業を取り入れたモデルを完成予定である。
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| Causes of Carryover |
予定したとおり、海外に於ける研究発表(米国）は実施したが、同時期に所属大学に於ける公務による渡米の要件が発生、往復の旅費などは全て大学によって負担された。一方、予定通り行った米国での発表に関わる現地滞在費などは予定通りか県にて負担された。このような事情により、当初予定していた出費を下回ったことが次年度使用額が生じた理由である。研究の進捗状況に変化があったわけではないことを明記したい。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に於ける海外に於ける研究発表の機会を増やすことにより、多くの最先端に於けるフィードバックを得ることを期待している。さらに多くの海外発表の機会を得ながら、研究成果の精緻化を図る予定である。
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Research Products
(2 results)
