2016 Fiscal Year Research-status Report
金融市場における取引時間間隔の時系列分析-ベイズ統計学と行動経済学の応用-
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15K03535
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
砂田 洋志 山形大学, 人文学部, 教授 (90282194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (30312721)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 取引時間間隔 / デュレーション / MCMC / 実験経済学 / 行動経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は所属機関の学科長(管理職)に選出されたため、平成28年度は学科長業務に忙殺された。その結果、研究時間を取ることが著しく難しかった。そうした状況であったが、国内で開催された学会に参加して他の研究者の進行状況を確認したほか、本研究に関連する文献を収集して先行研究の理解に努めるとともに、新たな分析上の視点の開拓に努めた。さらに、デュレーションモデルの推定プログラムを作成した。これらの作業を通じてノンパラメトリック統計学や計量ファイナンスに係る知識を数多く身につけることができた。 研究代表者による上記の作業と並行して、研究分担者は本研究への応用を目指して、行動経済学や実験経済学に関する知見を広めるとともに研究成果を公表した。具体的には、ワーキングペーパーを執筆して、意思決定における男女の違いについて新たな手法を提案するとともに、既存研究で検出された男女差の解釈を再考した。先行研究では女性の方が気前がいい(generous behavior)という結果が得られてきた。これは、男女を分離して実験を行った結果、つまり、同じ性のみが集められるという特殊な環境に参加者が置かれた結果であると考え、男女混合かつ男女差の検証という意識を抱かせずに男女差を計測する実験を行なった。この実験により、女性の意思決定は周囲の環境に左右されやすく、環境を男女混合にすることで男女の差は消えることが示唆されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は所属機関の学科長(管理職)に選出された。そのため、平成28年度は通常の学科運営業務に加えて、平成29年4月開設の新学部(人文社会科学部)の開設業務に専念せざるを得なかった。こうした理由によって研究時間を取ることが著しく難しかった。これが進捗状況の遅い原因である。 研究分担者は入試関係業務を担当しており、忙しい日々を過ごしていたものの、共同で実験を進めることができたので、研究成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は、平成29年度の管理運営業務から開放されているので、研究に集中できる模様である。新たなモデルの開発とプログラムの作成を進める予定である。 一方、研究分担者は、2016年に日銀の実施した「金融リテラシー調査」のアンケート結果を借りて、金融リテラシーと投資行動の関連についてアンケート結果の分析を開始した。同調査には、行動経済学で注目される行動バイアスや投資行動・金融知識についての調査項目が存在するからである。
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Causes of Carryover |
約2千円が次年度に繰越となった。必要なものだけを購入し、最後に0円となるように物品等を恣意的に購入しなかったために発生したものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)